稲毛区長独占インタビュー【2022年9月号】

  2022/9/6
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熊谷県知事や神谷市長、行政のトップは当然選挙で選ばれる。では区長はどのように決まるのか。政令指定都市である千葉市には6つの区が存在する。中央・稲毛・美浜・若葉・緑・花見川それぞれの区長はどのような役割を持ちどのような仕事をしているのか…。宍倉稲毛区長に聞いてみた。

意外に知らない区長の仕事・責任・権限とは…

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稲毛新聞(以下・稲)平成4年4月1日に千葉市が全国12番目の政令指定都市になり、区が設置されてから30年が経過しました。宍倉区長は就任2年目ですが、知事や市長がいる中で、区長はどのように決まり、どのような権限を持っているのでしょうか。

宍倉和美区長(以下、宍) 東京23区は特別区で市町村と同格に位置づけられているので区長は選挙で選ばれますが、政令指定都市の区長は市長の人事権に基づく通常の人事異動の中で決まります。区長も部長や局長のように一つのポジションであり、市の一般職のひとりです。区役所は本庁と同等の一組織として市の業務の中で区民の生活に直結する部門が集中しています。住民票や戸籍、国民健康保険や福祉に関する部門、近隣の問題や自治会活動などの地域にまつわる課題など様々です。都市計画や農地転用など本庁でしか取扱わないものを除いて、ほとんどすべて区役所の窓口で取扱っています。実務的には区役所の各部門は本庁の担当部署と連携して業務を行いますが、区長はその中で業務が円滑に進むよう調整等を図っていくことが主な任務になります。

稲・千葉市には女性幹部の方がいらっしゃいますが、千葉市の6区の中で、女性の区長さんは宍倉区長さん以外にも?

宍・はい。中央区の松浦良恵区長、若葉区の斎木久美子区長に私を入れて、6区のうちの半数の3区が女性区長です。

稲・半数が女性区長なんですね。政令市では多いほうですね。稲毛区とはどんな区だと受け止めていらっしゃいますか?

宍・大学や高校等教育機関が多いことから「文教のまち」と言われていますね。学生さんが多いのは一つの特徴だと思います。ただ、学生さんは稲毛区外から通う方もいらっしゃいます。地域住民との接点を設けるには工夫が必要だと感じています。

稲・どんな工夫が考えられますか。

宍・昨年の東京パラリンピックで注目を集めた「ボッチャ」という競技があります。ボッチャは昭和の時代に稲毛区内で初めて大会が開催されたことを活かして発展させることができれば、学生さんや障がいのある方、高齢の方など、地域住民との接点がうまれ、世代間交流も進められることから、稲毛区のより一層の発展につなげられるのではないかと思います。ほかにもいろいろなアイディアを集め、検討を進められればいいと考えています。

稲・どのような区役所づくりを目指していますか?

宍・本市は住民票発行、印鑑証明などの日常的・基本的な手続きを行う小区役所制度でスタートしましたが、一方で地域の皆様が抱えていらっしゃる強い要望などを把握し、市役所全体で共有できるよう取組んでいけたら良いと思っています。地域が抱えている問題を的確に機動的に解決できるよう努めたいと考えています。

稲・地域には今、どんな課題がありますか。

宍・普段から地域活動を進めていらっしゃる地域の皆様のご協力には感謝していますが、自治会加入率の低下は大きな課題だと感じています。自治会活動の活性化は、地域問題の把握や解決には不可欠ですが、自治会によって事情は異なり、小規模の自治会があれば、大規模な自治会もあるなど、一口に論じることができない難しさがあります。新型コロナの影響で様々な行事が中止の連続で閉塞感が漂っていたのは稲毛区だけの問題ではないとは思いますが、盆踊りや区民まつりも3年ぶりに開催されるようになったのは明るい話題です。区が主導するより地域主体の活動こそ活性化に必要なものだと思っています。コロナ禍での区長就任だったので、地域行事への参加ができないことが続きましたが、今後は積極的に情報をキャッチしてできる限り出かけたいと考えています。外に出ないといろいろなものが見えてこないからです。

稲・住民から寄せられる要望にはどんなものがありますか?

宍・地域活動を行っていく上での相談は地域振興課各室でお受けしています。また日常での心配やお悩みは「くらし相談」がございます。内容によっては他の適切な窓口をご案内しています。また地震や風水害、特に大雨に対する備えや、避難についてのお問合わせは、高齢者や社会的弱者の方の避難の準備は欠かせないものですから、区としてもできる対応をしていかなければなりません。ひとたび災害が発生すれば、区や市役所だけでは対応できないケースも出てくると思います。地域活動を普段から進めているかどうかが被害を最小限に食い止めることに繋がることもあります。

稲・今後の取り組みを教えてください。

宍・平成18年から3年間稲毛区の職員でした。その時に取り組んだ事業のひとつが防災でしたがその時の事業が地域での取り組みに活かされていることを10年以上経って区長として稲毛区に戻ってきた際に知ることができました。今後も地域づくりの火を絶やさないよう区として出来る事に力を入れたいと思っています。

稲・これからも住民にとって頼れる区長であり続けてください。今後のご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

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