チバカツカンパニー PJホーム株式会社【2023年1月号】
2016年に設立。輸入住宅による注文建築を請け負う。建てる棟数を限定しつつ、多彩なソリューションでお客様の住まいに対する思いを細部に至るまで反映できるスモールカンパニーならではのきめ細かさ、真摯さが強み。実際に建てた人々から寄せられる信頼は篤い。
今回、小紙編集部記者・稲しん子がお邪魔したのは住宅会社の「PJホーム」さんです。建築実績を拝見すると、まるで欧米の家のようにオシャレでハイカラですが、それもそのはず、取り扱っているのは輸入住宅とのこと。これは是非とも詳しくお話を伺いたいと、代表取締役の片岡博仁さんにお時間を取っていただきました。
ツーバイフォー工法が持つ大きな可能性を日本でも活かしてみたいと考えました
稲しん子(以下・稲)輸入住宅の事業を始められた理由は何でしょう。なぜ「輸入」なのですか?
片岡さん(以下・片)若い頃に勤めていた住宅会社がツーバイフォー工法の家を扱っていたことが原点です。入社2年目にアメリカのシアトルへ研修で行かせてもらい、現地の分譲地を見て回ったのですが、まさしく目から鱗の連続。例えば駅からの近さよりも窓から見える景色を大事にしている価値観や、洗練された外観デザインなど、日本の家づくりとの違いにカルチャーショックを受けたのです。アメリカやカナダといった北米ではツーバイフォー工法が主流。当時の日本はツーバイフォー工法イコール輸入住宅という認識でしたので、日本でツーバイフォーをやっていこうと思えば、輸入住宅に携わるのが自然だった感じです。
稲・具体的に何が日本の家と違ったのでしょうか?
片・日本の在来工法は柱と梁で支える軸組工法ですが、ツーバイフォー工法は木材と構造用面材を組み合わせて面で支える枠組壁工法です。その長所が広く理解されるようになったのは阪神・淡路大震災の時。ツーバイフォー工法の家は被害が極めて少なく、全壊はゼロだったとされています。いまでこそ在来工法も構造用の合板を張ったりして耐震性を高めていますけれど。
稲・強度が優れているなら地震国の日本では安心ですね。
片・性能ばかりではなく、デザインのお洒落さも自由度の高さも断然なんです。日本だと、昔は大工さんの言うとおりにしか家がつくれなかった。今もハウスメーカーの規格型住宅のように決まったメニューの中から選ぶしかなかったりします。それらの方法も良さはあるので否定はしませんが、私はお客様が本当に建てたい理想の家を実現させてあげることが住宅のプロの使命だと考えていて、それがPJホームを設立した動機の一つです。
稲・お客様がこだわりたいデザインが、輸入の製品なら叶えやすい?
片・例えばサッシですが、アメリカのマーヴィンやアンダーセンといったブランドには無垢の木のサッシがラインアップされている。インテリアを木の質感で統一したい場合、サッシも含めてコーディネートできるんです。
稲・妥協することなく、自分の好みをディテールまで盛り込めるのですね。
片・正直なところ、輸入の建材は手間がかかります。屋根の瓦は昔と違いビス止めしますが、日本の瓦は予めビス穴が開けられています。しかし、スペイン製やフランス製といった海外の瓦は一枚一枚、現場でドリルを使って穴を開ける必要があり、製品が日本製よりアバウトなので、高度な施工精度も求められます。
ではどうしてそんな面倒なものを伝えたいかというと、デザインやサイズなどの選択肢が広がるため、表情豊かで美しい家をつくりたいというこだわりのある施主さんには、ぜひお薦めしたいからです。そのために私は腕のいい職人さんを確保しています。
稲・手間暇はかかっても、お客様が求めているものを提供したいと。
片・解決策はたくさん持っていますから、ご要望以上の結果を出す自信はあります。
担当者とお客様との信頼関係が築かれていることが重要
稲・資料請求されたお客様には、郵送などではなく、手渡しでカタログを渡しているそうですね。
片・家づくりは担当者とお客様との信頼関係が築かれていないといい家はつくれません。まずは顔を合わせることが大事だと思っているので、資料は直接お目にかかってお渡ししています。渡しただけで終わってしまうケースも少なくありませんけれど、それはご縁がなかったわけですから仕方がないですね。でも、興味を持ってくれて、いろいろ質問してこられるお客様には持っている知識や知恵は出し惜しみせずに対応しています。
稲・「段階的打ち合わせ方式」というのもPJホームさんの特徴かと思いますが。
片・完成してから「本当はこうしたかった」みたいな不満を感じてほしくないので、我慢して不満が隠れてしまわないように、何度も打ち合わせを重ねています。当初の図面や仕様書通りに工事が進んで、いつの間にか完成していたなんてつまらなくないですか? 注文建築は、ああしようこうしようと話し合って修正しながら納得できる着地点を探していくことが楽しいし、そのプロセスがいつまでも家族の思い出に残るのだと思います。
家づくりでお悩みの方々の駆け込み寺になれれば
稲・お客様から「こうしたい」という要望を聞いた上で、「それだとコストが嵩んでしまうので、こういう方法はどうですか」と提案したりもしているのでしょう?
片・家はお客様と建築会社が力を合わせて一緒につくっていくものです。けれど、最近の業界の全体的な傾向として、一緒につくるという面が疎かになってきている気がします。お互いの思いが見えないゆえに深刻なトラブルに発展してしまい、どうにもならなくなって、私のところに助けを求めに来る方もいらっしゃいます。
稲・PJホームさんのホームページを見て、ここなら何とかしてくれるのではと?
片・ブログを読んだからとはよく言われます。お客様のお悩みに対処したケースについて、かなり率直に書いていますから。家づくりで困っている人がいたら、どうにかして解決を図ります。先日も契約面のトラブルで計画が頓挫してしまったお客様に、信頼できる法律の専門家をご紹介したりしました。人が家づくりで憔悴するほど悩んでいる状況を放っておくことができないんですよね、性分なので。
稲・まさに駆け込み寺ですね。
片・世情でしょうか、最近そういう事例が増えてきているのが気になるところです。家づくりは家族の幸せの城づくりということは時代が変わっても普遍のことだと思います。
稲・家づくりそのものばかりでなく、困り事の相談にも乗ってくれるのはとても心強いと思います。今日はありがとうございました。
PJホーム株式会社
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