チバカツカンパニー 撮影スタジオPhotogenic【2023年2月号】
幕張西の閑静な住宅街に立地する、エレガントな外観の撮影スタジオ。主宰の吉田英央さんは会社員や電気工事士などの職業に従事した後、写真の世界へ転身。家族写真やプロフィール写真、アートフォトなど人物写真の他、広告・ホームページの制作なども請け負う。今年、開設から10周年目を迎えた。
子どもの健やかな成長を家族と一緒に見守る、それが喜びです
今回、小紙編集部記者・稲しん子が伺ったのは、写真家・吉田英央さんのスタジオ「フォトジェニック」。お話を聞けば聞くほど、七五三や成人式など記念日の思い出を残したいご家族の要望に優しく寄り添う温かい人柄が伝わってきて、ほっこりしたインタビューとなりました。
フィジーや台湾での体験が家族写真へのこだわりの素にある
稲しん子(以下・稲)家族写真にこだわりをお持ちだとのことですが、どのような依頼が多いのですか?
吉田さん(以下・吉)多いのはハレの日、家族の記念になる日の写真ですね。
稲・節目節目でということはリピーターの方もかなり?
吉・高校の入学、大学、成人式と撮り続けたり、マタニティのところを撮ってから、産まれたお子様が1歳になる時に撮って、七五三でも撮って、というコースになったりです。
稲・長いお付き合いですね。お子様の成長をご家族と一緒に見守っていらっしゃる。
吉・首も据わっていない赤ん坊が、いつの間にか私と会話ができるくらいに大きくなっている姿を見ると、感慨深いです。いずれはこの子たちも大きくなって、学校へ行き、成人して、結婚して、子供ができたらまたこのスタジオに写真を撮りに来てくれるといいなと思います。
稲・家族写真を大事にしようという考えは最初からあったのですか?
吉・いえ、最初はいわゆる商業カメラマンで、ブツ撮りばかりしていました。
稲・広告などの商品写真を撮っていたわけですね。家族写真に路線変更されたのは何かきっかけが?
吉・フィジーへ語学留学したことが大きかったです。日本人が設立した英語の学校に通っていたんですが、いつもカメラを持ち歩いていたので、それなら家族写真を撮ってくれないかと先生に頼まれたんです。そうしたら、ほかの先生たちからも次から次へとお願いされて。デジタルの画像データを渡しても見られないので、町のプリントショップで紙に出力して持っていってあげると、ものすごく喜んでくれましたね。反応の大きさも嬉しかったし、家族それぞれのストーリーがあり、強い絆で結び付いている中に自分も溶け込むような感覚が不思議でした。その後、台湾でも半年ほど過ごしたのですけれど、台湾の人々も家族の繋がりをとても大事にしていて、家族写真を撮ってあげると心から喜んでくれる。この2国での体験を通して、日本に帰っても家族写真を中心に仕事をしていこうという決意が固まりました。
リラックスした雰囲気が親戚の家に遊びに来たようだと言われます
稲・ご家族の繋がりやストーリーをどう表現するかは、苦心されるところかと思うのですけれど。
吉・日本の場合は家族の、というより子どもの成長を願う気持ちが強い気がします。
七五三にしろ入学式にしろ成人式にしろ、子どもの成長の記録ですし。
稲・その記録が一生の宝物になっていく。吉田さんとしては責任重大ですね。
吉・プレッシャーです(笑)。成人式などでしたらそうでもないのですが、七五三のようにお子様が幼いと、
ちょっとしたことで「着物イヤイヤ」モードになってしまう場合もありますから、気を遣います。
稲・大物女優扱いしないと(笑)。
吉・ただ、私は無理やり笑わせたりはしません。笑わなかったら笑わなかったで、その子のリアルな今を捉えるべきというスタンスです。5年後や10年後に振り返った時に、「ぐずって大変だったのよ」などとからかわれるネタになるのも家族のストーリーですから。
稲・普通の一戸建ての家をスタジオにされていますよね。一軒家レストランならぬ一軒家フォトスタジオ。
吉・本格的なスタジオだと小さいお子様が緊張してしまうけれど、一軒家ならわが家の延長のような感じでリラックスしてもらいやすいという効果があります。実際、おじいちゃんおばあちゃんのお家に来たみたいだとよく言われます。
稲・人物写真を撮る上で、一番気をつけるべきことは何でしょう? 光の加減ですか?
吉・私は光より影を大事にします。撮影という字を見てもらえばわかるとおり、写真は「影を撮る」ものと言える。光をコントロールすることで、影がきれいに出るんです。
広告やホームページは顧客に利益を出してもらうことがゴール
稲・法人向けのお仕事もされているのですよね?
吉・撮影だけではなく広告やホームページの制作をトータルに依頼されるケースが増えてきています。
お店や会社に伺って、
どんな写真を撮りたいのかお話を聞かせていただいていたのですが、それって広告やホームページづくりのコンセプトでもあるので、それなら自分が一元的に制作を管理したら効率がよくなると思ったんです。
稲・確かに。
吉・広告を打つ目的は、集客をして売上を上げることです。作っただけ、見てもらっただけではダメ。ターゲットの顧客がリピーターになってくれて、さらに友達を連れてきてくれたり、SNSで拡散してくれたりがゴールなんです。そういう、一歩先を意識した表現を心掛けています。使った広告費以上の利益を上げてもらうことが顧客満足だと考えているので。
稲・もうカメラマン兼コンサルタント。
吉・あとは動画ですね。例えばお店のホームページ用に、店内の様子を見せたりサービスをどう提供しているのかを紹介する動画を制作しています。ホームページを見て興味を持ってくれた人の「行ってみようかな」という気持ちを動画で後押ししてあげたいです。
稲・家族写真を撮って、広告を作って、動画を制作して。それを基本お一人でやってらっしゃるんでしょう? 人手が欲しいのではないですか。
吉・今いちばん欲しいのは、喋ってくれる人。
稲・それは動画でレポートする人? お店や会社を訪ねて、商品について聞いたりするような。
吉・YоuTubeをやりたい人とかちょうどいいのですけれど(笑)。初めてのお店に行くのって、楽しみ半分恐さ半分みたいなところがあるでしょう? だから動画でどんなスタッフがいるのか、どんなサービスがあるのかなど、擬似的に実感してもらえる内容にしたいのです。リアリティを出すためには実際のお客様と年齢が近いレポーターが必要なので、今絶賛募集中です。
稲・我こそはという方はぜひフォトジェニックさんにご連絡を。
今日はありがとうございました。
Photogenic(フォトジェニック)
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