東京湾の女王 客船「橘丸」を作る 01

  2023/4/29
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さてさてここ数か月は、仕事で怒涛の年度末&年度初め業務に追われまくっておりましたが、そんな中でも1月半ばから新たにお船作り始めたでやんすよ。
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そう、かつて東京-大島航路で活躍していた東海汽船の客船「橘丸」であります。
「橘丸」は東京湾汽船(東海汽船の前身)が、昭和10年に当時社運をかけて建造した豪華小型客船だったそうです。

この船の船歴は、なかなか波乱に富んでおりまして、就航から間もない昭和13年に日中戦争で海軍の病院船として徴用され、揚子江をさかのぼって負傷兵の収容のために南京上流にある鄱陽湖に進出するも、蒋介石空軍のカーチス・ホーク戦闘機の編隊に襲われて、至近弾多数により転覆着底してしまいました。
幸いにも着底水域が浅瀬だったため、浮揚されて日本に回航・整備の上、再び客船として復活することができましたが、太平洋戦争時には、今度は陸軍の病院船として徴用されて、国際法違反の病院船による軍隊輸送に従事したため米駆逐艦に拿捕されるなど、戦争に翻弄される前半生を過ごしました。
しかし、戦後は大島航路に復帰し、昭和48年まで客船として長きに渡って活躍しました。「橘丸」は、流線型の美しいフォルムだったので、「東京湾の女王」と呼ばれて親しまれたそうです。

美しい姿からは想像しがたい、波乱の船歴を持つ「橘丸」を、今回も1/200スケールでラジコン化してみようと思います。


実船の全長は80.4mで、「こじま」より少し長いくらいしかありません。この大きさだとメカを積む空間を確保するのが大変なので、船体内部をスッカラカンにできる紙船工法を採択。
まず、発泡スチロールを削り出して船体を成形し、薄い和紙を水で溶いたボンドで貼り付けます。

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和紙が乾いたら、まずは縦方向に巻き込むように、水で湿らせた工作用紙を貼り込んでいきます。
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1層目の縦方向の貼り込みが終わったら、2層目は横方向に工作用紙を貼り込んでいきます。
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横方向の貼り込みが終わった状態。湿らせた工作用紙が乾いたら、低粘度瞬間接着剤をこれでもかというくらいに染み込ませておきます。
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瞬間接着剤が乾燥して船体がカチコチに固まったら、中の発泡スチロールを掻き出していきます。ここまでは、張り子のお面とほぼ変わらない作り方です。この工法を考えた故たちまわり氏に感謝なのであります。
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甲板は、1㎜厚のプラバンに、木目シートを貼り付けて作ります。
すると、こんなん感じに、お手軽に客船の船体をゲットすることができます♪
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ほんじゃまた~。

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