発見!チバカツカンパニー くるみPlus+(くるみプラス)【2023年8月号】

  2023/8/3
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今回、訪問したのは美浜区磯辺の「くるみPlus+」。昨年の稲毛新聞11月号でオープンした直後の同所をミニデイサービス施設として紹介させていただきましたが、その後かなり状況が変化したとの噂。小紙編集部記者・稲しん子が確かめに向かい、スタッフの本間孝世さんにお話を伺ってきました。

気軽にふらりと立ち寄れる、地域の人たちの「居場所」になりたい

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地域の課題に直面し始めた取り組みの数々

稲しん子(以下・稲)「くるみPlus+」さんは、高齢者向けのサービスを提供する施設という認識で構わないのですよね?

本間さん(以下・本)基本的にはそうです。スタートはミニデイサービス施設で「食でつながるミニデイ」をテーマに、管理栄養士の指導のもと、旬の食材を使ったランチを提供しています。ランチを食べに来るだけでもいいのですが、それ以外にもお茶飲みお喋り会や足湯サロン、ものづくり&手仕事クラブ、
スマホ教室など多彩なアクティビティを用意していますので、利用者それぞれがやりたいことを好きなようにできる体制になっています。

稲・「つながる」ということは、人と人のコミュニケーションとか、交流とかを大事にしていらっしゃる?
本・「食でつながるミニデイ」だけではなく、私たちは駄菓子屋やレンタルスペース、認知症カフェ、ちょい飲みのようなイベントなど、ジャンルにこだわらない取り組みを実施していますが、基調となっているコンセプトは「地域の人たちが気軽に集まれる場所」。この地域の人たちが、とりあえず「くるみPlus+」に行こうかな、みたいな感じで、生活の一部として、用事があってもなくても立ち寄ってもらえるような場所であることを目指しています。

稲・駄菓子屋にレンタルスペース……すごい振り幅ですね。すると、高齢者対象の施設という定義には収まらない感じですか。年齢層に関わりなく、幅広く。

本・やっているうちにどうしても幅広くなりますね。ミニデイ一つ取っても、これは要支援の方向けのサービスですけれど、認定を受けてみたら要介護だったため、利用することができなくなる方がいらっしゃったり、既に通われている方でも、介護度が上がってしまってお休みすることになったり。現状の枠ではサポートしきれないという現実に直面しています。

稲・そういえば美浜区って高齢者の方が多いんでしたっけ。

本・多いです。中でも磯辺地区は高齢化率が高くて、令和4年3月の時点で36%近いです。独居のお年寄りも多く、閉じこもって一日誰にも会わない方も。これでは気力体力ともに衰える一方なので、週に1回だけでも外に出て、誰かとご飯を食べたり話をしたりする機会を作ってあげたいと思っています。実際、利用者の方々には「ここでみんなと会うと、気分が晴れるね」と仰ってくださっています。

稲・目的がなくても、何となくフラッと来て構わないのですね。

本・ええ。近くでウォーキングした帰りにコーヒーを飲みに立ち寄ってくれる方もいます。そんな感じで、地元の人が気軽に通える場所になりたいと考えています。

世代を超えた交流を図る工夫

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稲・駄菓子屋さんの方はいかがですか?

本・平日の夕方、放課後になると、下校した子供たちがどどっと詰めかけて来ます。
一種の集合場所になっているんですよ。目の前にある磯辺第三小学校の生徒たちが主なんですが、少し離れた磯辺小学校の子も自転車で来てくれたりしています。

稲・コンビニやスーパーにも駄菓子コーナーがありますが、「駄菓子屋さん」ではないですものね。お店という集まれる場所が大事。

本・今は駄菓子を売っているだけですけれど、将来的には「宿題カフェ」みたいなことをやりたいです。放課後、子供たちに集まってもらって、みんなで宿題をやるんです。終わったらお握りとかの軽食を作って食べて、お喋りして。おじいちゃんおばあちゃんが来ている日だったら、一緒に遊んだりするのもいいですよね。毎日は難しいかもしれませんが、そういう日を設けられないかと計画しています。

稲・世代を超えた交流ですか、それは面白そうですね。

本・ハロウィーンイベントを開催した時に、ここの周辺にお住まいのお年寄りに、
子供たちが「トリック・オア・トリート」と言いながら家に来たら、お菓子を配ってあげてほしいとお願いしたんです。イベント後、協力のお礼に回ったのですけれど、「普段は一人暮らしだから、小さな子供と関わることができて嬉しかった」とおっしゃるんですよね。

稲・独居だと人と接する機会がほとんどないから。

本・少しでも人と交流できるような機会を作る取り組みができたらいいなと思います。

稲・レンタルスペースはどういった方に利用されています?

本・勉強目的の学生さんだったり、オンラインミーティングをしたい社会人の方だったりですね。あとはエステの施術者の方や整体の先生。自分のサロンをお持ちではないため、場所を借りたいというニーズがあるんです。場所柄の話だと、海浜幕張の見浜園や稲毛海岸でウェディングフォトを撮る方が支度部屋としてお使いになります。キッチンが使えるので、二人でお料理がしたいというカップルの利用もありました。

稲・それだけの潜在需要が眠っていたわけですか。

本・エステの施術者さんや整体、理学療法士の先生など、様々な技能のプロフェッショナルの方々が「くるみPlus+」の活動に関わってくれるようになり、それを起点としてさらに可能性が広がっていくと確信できるので、私もすごく楽しみなんです。

将来に向けての夢も膨らむ一方

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稲・となると、今後の活動はますます広がりますね。

本・そうですね、例えば「習い事サブスク」というアイデアを温めている団体があるので、うちも協力して実現させたいと思っています。

稲・習い事のサブスクリプション? どういうことでしょう。

本・一般的なカルチャースクールとは違って、毎月定額の料金を払えば好きな講座を自由に受講できるというシステムを考えています。定額制なので、興味のある講座をお試しで受けてみたり、複数の習い事を並行して学んでみたりが、すごく気軽になるでしょう?

稲・すごい。画期的ではないですか。

本・それから、「MITT(ミット)」という地域情報メディアとの連携も始めました。MITTとは、真砂、磯辺、稲毛海岸、高洲、高浜、それぞれのイニシャルを組み合わせたもので、この地域特有の話題、ローカルな情報を発信していくフリーペーパーです。

稲・ということは稲毛新聞の競合メディア(笑)。

本・どうでしょう(笑)。「MITT」は極めて限られた地区の情報しか扱わないのですけれど。ご近所で話題の場所や人、
注目したい活動の紹介などを中心に誌面を構成する媒体です。
市民ライターとして記事を書きたい人向けに「くるみPlus+」で書き方講座を開催したりしてお手伝いしているんです。

稲・新しい取り組みが軌道に乗ったら、また取材させてください。今日はありがとうございました。

株式会社ヘルパーリンク
「くるみPlus+」の経営母体。2019年に設立された、高齢者に対する生活サポートを行う会社。お困りごとなど介護保険外のサービスに対して、登録サポーターが対応するマッチングサービスを中心に事業を展開する。
くるみplus 所在地:千葉市美浜区磯辺1-9-18(JR稲毛海岸駅より徒歩約10分)

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千葉市中央区・千葉みなと発 『ローカルをサブカルでリリカルに!』 千葉市で暮らす人々のライフスタイル発信メディアです。
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