コラム「キキミミポスト」~募金は自主的に~【2024年2月号】

  2024/2/1
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先日、子どもたちが寒い中、募金活動をしているのを見て、わずかですが協力させてもらいました。そういえば募金について、ずっと不思議に思っていることがあります。それは赤い羽根、緑の募金、赤十字、歳末助け合い募金などが自治会費を通して徴収されている地域があることです。

以前住んでいた町内会では、300円とか500円とか、合計2千円ほど毎年、町内会費と一緒に徴収されていました。「2千円の価値は人によって違うのに…。反対する人っていないのかな」と、あきらめの気持ちで、なかなか稼げない時代も払っていました。

募金はとても大切で尊い行為です。集金してくれたら募金しに行く手間が省けて助かる人もいるでしょう。それに強制だとしても困っている人の役に立つことは変わりません。しかし募金は自発的にするものだと私は考えているので、強制されると首をかしげたくなります。募金とは違いますが、その町内会では消防活動費を自治会費にプラスして徴収していました。これには私も賛成で消防団のみなさんのご苦労を考えれば納得ですし、このように募金や寄付などに対する意見は人によって違いますよね。

調べてみたところ、私と同じような住民の意見を反映させた自治会がありました。
長野県上高井郡小布施町のある自治会では、各世帯に意向調査を行い、同意しない3割の世帯に募金分を返金したそうです。「募金の強制は個人の思想・良心の自由を侵害する」という過去の裁判例や、強制募金について全国的に話題になっていることがきっかけだったとか。

自治会役員の方々が勇気を出して慣例を破ったことはすばらしいことだと思います。ちょっと気になったのは、ご近所のお付き合い上「募金徴収に反対」という意思表示が難しいかもしれないということ。任意にしたところで、自治会役員さんが取りにきたら断りにくいし、ベストな方法は、主催者である団体が個別に集めることですが、そもそも人手がないから、募金を自治会に任意でお願いしていたわけで…。

今も疑問を感じながら募金徴収されている人が全国でどれだけいるのでしょうか。個々の小さな声が反映される時代になってほしいものです。

著者プロフィール

オハラ キキ
小説家の卵。
生まれも育ちも現住まいも千葉県。
趣味はお風呂と流星ハント。

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千葉市中央区・千葉みなと発 『ローカルをサブカルでリリカルに!』 千葉市で暮らす人々のライフスタイル発信メディアです。
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