コラム「マルがこわい?」【2024年4月号】
キキミミポスト By オハラ キキ
最近、新しく「マルハラ」という言葉が登場しています。セクハラ、パワハラなどと同じようにマルハラもハラスメントの一つなんだとか。LINEなどのSNSなどで、文章の最後に「。」をつけるという当たり前の行為に対して、若者の一部がハラスメントに感じているそうです。
そもそもハラスメントにはいろいろな種類がありますが、共通して言えることは、発言や行動によって相手を不快にさせたり、精神的苦痛を与えることですよね。この小さいマルが不快ってどういうことなんでしょうか…。
調べてみると、例えば「連絡ください。」「承知しました。」など、最後にマルがついている文章に対して、受け取った人が「怒っているみたい」とか「なんだか冷たい」と感じるそうですが、シニア世代に片足を突っ込んでいる私にとっては「。」があるだけで不快に感じるなんて…もう訳がわかりません(笑)。
その原因として考えられるのは若者の活字離れ? またはSNSでは「。」をつけないのが流儀で、それにどっぷりとつかってしまった若者は、見慣れない記号が出てくると脅威に感じてしまうのかしら。まあそれよりも単に言葉が足りないのかもしれません。「連絡ください。」だけよりも「すみませんがお時間あるときに連絡ください。」これだと怒っているように感じないと思います。
そういえば、某ネット記事の中にあった「若者たちの集団は自分たちの文化を中高年と区別したがる傾向にある」という一文を思い出しました。「こうするとおじさん」「こうするとおばさん」と、いつの時代も若者は自分たちと中高年との間にラインを引きたがる生き物なのかも。今や中高年の多くも利用しているSNSだからこそ「自分たちとは違うぞ」と線引きをしたいのかなあ。
実際はどうかと、20代の知人何人かに聞いてみたところ、すべての若者がマルハラを感じているわけではなさそうでちょっと安心しました。マルハラを感じている人はどうやら少数派のようですし、相手との関係を大切にしながら年下であっても丁寧に文章を書いていればマルハラなんて気にする必要もないと思えました。今後も私はSNSの文章にも堂々と「。」をつけたいと思います。