諦めない下剋上!マリーンズ、シビれる10月を【2024年10月号】
プロ野球パシフィックリーグは福岡ソフトバンクホークスがシーズンを通して首位を独走、4年ぶりの優勝を決めた。我らが千葉ロッテマリーンズはシーズン終盤東北楽天との激しい3位争いを制し、2年連続のクライマックスシリーズ進出、を決めた。
今季は地元ZOZOマリンスタジアムで左腕小島が開幕投手を務めた。序盤は投手陣の踏ん張りもあり五分の星で推移する。しかし4月19日の北海道日本ハム戦から7連敗を喫し後退、苦しい展開になる。5月に入ると打線が繋がり始め巻き返す。5月4日から4連勝、そして14日の沖縄でのオリックス戦から途中4つの引き分けを挟み怒涛の11連勝で一気に上位争いに浮上、開幕から首位独走の福岡ソフトバンクに4ゲーム差まで迫った。破竹の勢いでセパ交流戦に入ったがここで7勝9敗と負け越し失速してしまう。7月にやや盛り返すも勝負どころの8、9月も負け越しずるずると後退、北海道日本ハムに抜かれ、東北楽天と3位争いをするに至っている。
個人に目を向けると昨季本塁打王のポランコは今季も22本塁打、新外国人のソトも21本塁打(何れも9月末現在)で両外国人は打線の中核として機能、岡広海や正捕手に定着した佐藤都志也も攻守にわたって活躍。特に打撃はチャンスでの勝負強さが印象深い。若手に目を向けると小川龍成、友杉篤輝らが台頭、勝負強さを発揮した。しかし荻野貴司、中村奨吾、藤岡裕大といったベテラン勢がシーズンを通しての活躍ができなかった。また安田尚憲、山口航輝の中堅勢もあまり期待に応えられなかった。後半活躍した藤原恭大もケガでの出遅れが響いた。投手陣は左腕小島和哉が2年連続二桁勝利を挙げる活躍だったが、期待の佐々木朗希、西野勇士、種市篤暉は思うように勝ち星が伸びず、救援陣も益田直也、澤村拓一らが安定せず終盤に苦しい展開になることも少なくなかった。ただ救援陣は鈴木昭汰がリリーフとして覚醒、安定した投球で0点台の防御率を残し、地元専大松戸高出身の横山陸人はサイドスローから150キロ台後半の剛速球で球場を沸かせた。そして成田高出身のベテラン唐川侑己が見事に復活したのは明るい材料になった。
今季もリーグ優勝を逃したマリーンズだが、クライマックスシリーズで日本一を狙う戦いは続く。昨年のクライマックスシリーズはファーストステージで福岡ソフトバンクに最終戦の劇的な逆転サヨナラで2勝1敗としファイナルシリーズに進出した。今年は再び3位からの下剋上を目指す。
クライマックスシリーズファーストステージは12日(土)から北海道日本ハムの本拠地エスコンフィールドHOKKAIDOで開幕する。