浮かぶ港湾ジオラマ「大連港船客待合所」をつくる03
2025/2/2
週刊「大連港」と化しつつある当ブログですが、船客待合所の建物はだいたい出来上がりました。
アールデコ様式の半円形エントランスと、長い連絡通路。どっしりとした待合所本体という構成で、東洋一の規模を誇った施設に相応しい堂々とした外観です。
連絡通路の電飾はオレンジ色にして、全体的に電球色の照明の中で、程良いアクセントになるようにしてみました。
連絡通路と本体の接合部です。映画「ラストエンペラー」で、宣統帝溥儀と家庭教師のジョンストンとの別れのシーンはここで撮影されており、往時の面影が色濃く残った船客待合所の様子をうかがい知ることができます。
エントランス部は、絵葉書等にも一番多く残されている箇所なので、正に大連港の顔ともいえる佇まいであります。
この建物の設計は、湯本三郎という満鉄設計課所属の建築士によるものだそうです。建国間もない満州国の大型建築物は、満鉄設計課のメンバーが手掛けることがほとんどだったそうです。
大連港は、運営も満鉄が行っていたので、この施設の建立には、並々ならぬ力を入れていたのではないでしょうか。
エントランス真正面の様子。上部の中心にあるプレート状のエンブレムのようなものですが、エントランスや本体にも多数設置されており、何かしらのシンボリックな意味合いを持つ装飾だと思われます。
中心に円があり、左右に二つずつの方形を配したデザインの趣旨は分からないのですが、推察するに満州国のスローガンである「五族協和」(満州族、漢民族、蒙古族、朝鮮族、日本民族が協力して国づくりを行うこと)ではないかと思われます。
さて、次回は電飾した様子をご紹介したいと思います。
そんでは、また~。