相馬領をめぐる常胤の攻防史 相馬御厨顛末記 図説編 【稲毛新聞2025年8月号】
2025/7/31
千葉一族盛衰記 第二十七話

常胤の前半生は、相馬領の事実上の領有権獲得のために費やされたともいえます。常胤が、「頼朝というカード」をもとに大博打にうってでるまでには、父常重の捕縛、源義朝との寄進競争と京での共闘、逆賊の汚名など、判断を間違えれば命を落とす可能性すらあった「相馬領をめぐる攻防の歴史」がありました。
さらに、平治の乱の敗戦により義朝が獄門に処された後には、義朝の郎党と目されていた常胤は、一族保有の土地のほとんどを失うという「滅亡寸前」の状態にまで追い込まれるのです。
今回は、その相馬領をめぐる常胤受難の32年間を概観していただくために、相馬領の事実上の領有権の推移を図説いたします。次回以降、上図を参照しつつ話を進めます。
【著者プロフィール】
歴史噺家 けやき家こもん
昭和46年佐倉市生まれ。郷土史や伝説をわかりやすく、楽しく伝える目的で、落語調で歴史を語る「歴史噺家」として活動。著書に「佐倉市域の歴史と伝説」がある。