[コラム]スポーツビジネス・スポーツの価値【稲毛新聞2026年2月27日号】

  2026/2/26
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①企業が地域のスポーツチームを応援する意義/千葉ドット取締役COO 梶原健

 正直に言うと、私も最初から「企業が地域のスポーツチームを応援する意義」を、うまく言語化できていたわけではない。15年前に千葉ジェッツの立ち上げに関わった頃、頭にあったのはとてもシンプルな想いだけだった。「この街に、バスケットボール選手になりたい子どもたちの夢を叶えるチームを創りたい」勝てる保証もない。人が集まる保証もない。いつ潰れるかもわからない。それでも、「やってみよう」と言ってくれた地元企業の経営者たちがいた。
 
 今思えば、創成期を支えてくれた経営者の皆さんは、広告効果を期待し支援してくれていたわけではなかった。「この街の未来に少し関わってみよう」そんな感覚だったのだと思う。試合会場にロゴを出しても、正直ほとんど誰も見ていない時代があった。それでも経営者自ら社員を連れて毎試合会場に足を運んでくれた。負けた試合の後に「次は勝とう!」と声をかけてくれた。その姿を見て、私は気づいた。企業がチームを応援するというのは、単にスポンサーになることではなく同じ船に乗る仲間になることなのだ、と。
 
 私は、スポーツチームは「地域のハブ」になる存在だと思っている(ハブとは情報や感情、人が自然と集まる中心点のこと)。試合があった翌日、学校で「昨日の千葉ドットの試合見た?」と会話が生まれる。会社で「惜しかったですね」「次は勝てそうですね」と話題になる。家庭で、親と子どもが選手の話をする。たったそれだけのことかもしれない。

 しかし、その「たったそれだけ」が、地域にとってはものすごく大きい意味を持つ。共通の話題がある街は、つながりが生まれやすい。共通の応援対象がある街は人と人の距離が近くなりやすい。千葉ジェッツの成長の過程でも、そして今の千葉ドットでも、私は何度もその光景を見てきた。

 スポーツチームが地域に果たす意義は、最初から完成された答えがあるものではなく、スポーツチームをみんながコミュニティツールとして活用し、育てていくことによって、その姿が形づくられていくのだと思う。だからこそ、スポーツチームの使い方を定義づける意味でも千葉ドットでは「夢でつながるワンチーム(We are Dream Community.)」という言葉を大切にしている。

 これは選手の夢だけを応援するという意味ではない。子どもたちの夢、スタッフの夢、スポンサー企業で働く社員一人ひとりの夢、そして地域が持つ小さな願い。それらを、チームを真ん中に置いてつないでいくということだ。

 スポンサー企業の社員が試合運営を手伝ってくれたり、試合結果に一喜一憂しながら選手やスタッフと喜びや悔しさを分かち合ったりする。そうした経験を通じて、「応援する側」と「応援される側」という境界線は消えていく。気づけば、みんなが同じチームになる。そして自然と、地域に会話が生まれ、人と人の間にぬくもりが生まれる。私は、それこそがスポーツチームが地域にもたらす最大の価値だと思っている。地域が元気でなければ、企業も元気になれない。これは理屈ではなく、現場にいると肌で感じることである。企業が地域のスポーツチームを応援すること。それは10年後、20年後に「あの頃、関わっていてよかったな」と言える未来を一緒につくることだと思う。

 私はこれからも、スポーツチームを、それぞれの夢が交わり、人と人がつながる場所として育てていきたい。We are Dream Community. 千葉ドットは、夢でつながるワンチームを、これからも地域の皆さまとともに目指していく。
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