御瀧不動尊で3年ぶり開催の「蛍の夕べ」に過去最高の来場者、ボランティアによるホタルの放虫に観賞者1000人超
6/13(月)御瀧不動尊で3年ぶり開催の「蛍の夕べ」に過去最高の来場者
ボランティアによるホタルの放虫に観賞者1000人超
「御瀧不動尊」の呼び名で知られる「御瀧山金蔵寺」(船橋市金杉6-25-1、TEL 047-448-2833)で6月12日、3年ぶりとなる蛍の放流イベント「蛍の夕べ」が開催され、関係者によると1000人を超える過去最高の来場者があった。
御瀧不動尊の境内には湧き水があり、海老川の源流とされる「行者滝」がある。同イベントを主催しているボランティア団体「お瀧・蛍プロジェクト」代表の斉藤征昭さんは、「ここのせせらぎを整備すれば、ホタルの生育に適している場所になるはず」と約10年前からホタルの放流活動を続けている。
同イベントは今年で6回目の開催。5回目は2019年に開催し、その後は新型コロナウイルス感染拡大もあり開催を控え、今年が3年ぶりの開催となった。本来は6月11日開催の予定だったが、当日の天候状況により、12日に開催を順延した。
イベント開始時刻は16時30分。境内では暗くなるまでの間、子ども和太鼓「高野太鼓」による演奏や「座・よさこい」による「みんなで踊ろう」、ボランティア団体による「船橋ばか面踊り」の披露、レクダンス、パーカス石井とアクエリアスによるJAZZ演奏などが会場を盛り上げた。
そのほか地域ボランティアが作る「竹とんぼ」の販売、有志の主婦たちが作ったおにぎりや味噌こんにゃく、フルーツポンチなどの販売もあり、境内には子ども同士で来場している姿や、小さい子どもを連れた家族、出演している知人を見に来た人などでにぎわっていた。
暗くなるとホタルを放虫するせせらぎ付近には長蛇の列ができ、その列はバス通りの門の外にまで伸びた。19時を過ぎた頃せせらぎへの入場が解除され、来場者は数人ずつに区切られてホタルを鑑賞した。
斉藤さんは「過去5回でこれまでの最高のホタル鑑賞数は1000人ちょっと。でも今年は、それを遥かに超える人が来場していた。今年は鑑賞券の販売が予定通りにいかなかったので正確な数はわからないけど、ホタルを見に来てくれた人だけでも1000人は優に超えていたね」と話す。
ホタルは光に敏感なため、観賞エリアではスマホやカメラの使用は禁止され、来場者は幻想的なホタルの光を楽しんだ。ホタルを放ったエリアとはネットなどで区切られていないため、時折、人の列のすぐ近くまでホタルが飛んで来る様子も見られた。
開催にあたり主催側はワクチンを3回接種している人に限るなど対策を取った上で開催した。斉藤さんは「今回、なんとか開催して本当に良かったと思っている。多くの人に『感動した。ありがとう』と声を掛けていただいた。駐車場警備のボランティアスタッフも『来場者が帰る際、ありがとうと声を掛けられた。こんなことは今までで初めて』と驚いていた。みんな、こういう機会を待ち望んでいたのかな。ホタルを初めて見たっていう人もいたね」と会を終え、安堵の表情で話した。
斉藤さんは「6回目でやっと認知されたきたのかな。私たちの夢は、この蛍の夕べを続けること。現在はここで育ったホタル以外に、他のところで育てたホタルを合わせて放虫しているが、いつかはこの地で自然サイクルの中で育ったホタルだけで蛍の夕べを楽しみたい」と話している。
なお、御瀧不動尊では毎年8月27、28日に「開山墓」(大祭)を開催しており、コロナ禍で祭りは中止していたが、今年は祭りを開催予定と掲示している。