チバカツカンパニー ホープウィル株式会社【2022年8月号】

  2022/8/8
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以下は 2 年前に書かれた内容です

ミャンマー人技能実習生送り出し機関。ミャンマーで約20年にわたり信頼を得てきた学習塾や日本語学校を母体に設立された。日本企業のニーズに即した人材育成が評価され、介護職を中心として幅広い業界に優秀なミャンマー人の実習生を送り出している。

千葉は私の地元。今後はここを拠点に 根を広げていきたいと思っています

今回、小誌編集部記者・稲しん子がお目にかかったのは、ミャンマーで日本向けの人材派遣事業を展開している「ホープウィル」のアドバイザー・河野葉子さん。なぜミャンマーだったのか、人材を送り出すために何を気をつけているのか、今後の展望は・・・など、さまざまな興味深いお話を伺ってきました。

ホテルに勤めた経験を旅行業や人材派遣業に活かしています

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稲しん子(以下・稲)ミャンマーで実習生送り出し機関の「ホープウィル」を立ち上げた理由は何だったのでしょう?

河野さん(以下・河)もともとアジア地域に対して強い憧れがありました。いったんはホテル業界に就職し、バリ島にオープンしたホテルに赴任したことで、さらに「やはりアジアだ」との思いが強まりました。ホテルを辞めて起業しようというとき、
ベトナムかミャンマーかという選択肢があったのですけれど、
直感でミャンマーに決めました。

稲 直感に従って正しかったわけですね。「ホープウィル」はその時からですか?

河 その前に、まず旅行代理店を立ち上げました。次に始めたのが教育業。ミャンマー人の夫との間に生まれた子をインターナショナルスクールに入れたかったのですが、当時は学費が高くて払えなくて。それなら自分で作ってしまえと、塾と日本語学校を設立しました。旅行代理店も教育業も、ホテルで働いた経験を通して、サービスの本質を理解していますから、それが役に立っています。

ミャンマー人は日本文化や介護の仕事との親和性が高いんです

稲 日本に来ている実習生は、どのような業界で働いているのですか?

河 介護職が多いですね。介護業界は日本語検定の3級取得が受け入れ条件なのですけれど、うちはグループ内に日本語学校もあるのできちんと3級を取らせて送り出せるから、介護業界の求人に応えられるのです。それに、介護の仕事はミャンマー人に向いているんですよ。

稲 どうしてですか?

河 国民性として、人柄が優しい。熱心な仏教徒の国なんですけれど、人に何かをしてあげることで自分に功徳が積めるという考え方をする。介護の仕事はまさに功徳を積む行いですよね。だからミャンマー人には合っています。
細かい部分に配慮できて、気が利くんですよ。

稲 日本企業に紹介する人材って、それなりに優秀さが必要そうですが、人集めは大変ではありませんか?

河 立ち上げたときは知人に頼って人集めをしましたけれど、実習生が100人を超えたあたりから、募集しなくても口コミで集まるようになりました。昨年のクーデターを機にその傾向がさらに強まり、定員に対して3倍くらい集まるようになりました。なので、最初にスクリーニングというか、日本文化に馴染める性格なのかどうか、一種の適性テストを実施して選抜しています。

稲 日本に合う性格といいますと、具体的には?

河 大事な柱が二つあって、一つは協調性があるかどうか。日本人の常識からはみ出すような主張の強い子は合いません。自己主張ができない国民性なので事例としてはほとんどありませんけれど。もう一つは異文化を受け入れる資質があるかどうかです。といっても、やたら日本を絶対視するような極端な思い込みのある子は避けます。そのような子は日本に来ても我慢ばかりして楽しめない可能性があるので。自国文化と異国文化をバランスよく受け入れられることが大切です。

受け入れ先企業の特性に合わせた教育を施し送り出しています

稲 オーダーメイドで人材を育成していらっしゃるとのことですが、これは例えば介護業界なら介護業界向けの教育を施しているということですか?

河 そうです。送り出し機関は日本語教育に時間を割くものなんですけれど、ホープウィルの場合は日本語の勉強だけでなく、仕事に役立つ知識を身に付ける時間も重視しています。その部分がオーダーメイドで、中心になるのは語彙ですね。

稲 いわゆる業界用語とか、仕事の現場で使われる言葉を学ぶなど、実際に即した育成をしているんですね。介護以外に、どのような業界の受け入れ先が?

河 食品加工、建設、物流関係など、色々ですね。コロナ禍の間は止まっていた宿泊業界も受け入れが始まっています。先ほどお話ししたミャンマー人の気質は宿泊業にも向いているんですよ。お客同士の会話を邪魔しないよう給仕したりするのが上手なんです。

稲 千葉県内ではどのような状況でしょう?

河 私が福岡市とちょっとした繋がりを持っている関係で、現状として受け入れ先は九州が多いのですけれど、千葉県内では、四街道市の障害者施設(社会福祉法人翠昂会 障害者支援施設「永幸苑」)に十数人の実習生を受け入れてもらっています。今後は千葉で受け入れ先の輪を徐々に広げていき、事業の中心にしていきたいと思っています。千葉は私の地元ですから、何かあったときのフォローがしやすいので。

稲 その輪が千葉市内にも広がるといいですね。

河 これから頑張ります。27年間ミャンマーに住んでいたんですけれど、コロナ禍の影響で1年間日本にいることになって感じたのは、自分は日本にいて実習生のフォローに回る方が役に立つのかなと。向こうで私の指示が必要になった場合でも、いまはオンラインで何でもできるようになったでしょう? それもあって、拠点を地元の千葉に移そうかと考えています。

稲 それはきっと千葉の人にとっても嬉しいと思います。今日はありがとうございました。

以上は 2 年前に書かれた内容です
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