チバカツカンパニー 千葉スズキ販売株式会社【2022年10月号】
千葉スズキ販売株式会社
1953年設立の自動車ディーラー。スズキ車の新車や中古車の販売、点検、整備などを行う。
「アリーナ若葉」ほか千葉市や習志野市、佐倉市、柏市などに5店舗を展開(本社は美浜区)。地域との関わりを大切にし、「仕事の千産千消」を心掛けながら日々の業務に勤しんでいる。
社員みんなが楽しく働けることと私生活の充実を両立しました
今回、小誌編集部記者・稲しん子が訪ねたのは、自動車の販売会社・千葉スズキ販売さんです。今年6月、千葉県の「社員いきいき!元気な会社宣言企業」に認定されたとのこと。詳しいお話を伺いたいと、「アリーナ若葉」の店長・菅澤和紀さんと、常務・國田直宏さんを直撃取材してきました。
「自分の会社の働きやすさ」を社員に認知してもらうために
稲しん子(以下・稲)千葉県の「社員いきいき!元気な会社宣言企業」に登録されたそうですね。その目的はなんでしょう?
菅澤店長(以下・菅)仕事と生活を両立し、誰もが働きやすい環境づくりに取り組んでいる会社であると、弊社のスタッフに認知してもらうことが主な目的です。自分たちの働いている会社が、従業員ファーストの環境づくりをしているのだと目に見える形で示せば、
安心して働いてもらえるだろうと考えました。
稲・具体的には、どのように働きやすさを実現されたのですか?
菅・例えば子育て支援です。勤務時間や勤務場所を配慮するなど、育児と仕事を両立しやすいようサポートする体制を築いています。以前は既婚の女性社員が出産となると、それを機に退職する人が多かった。でもいまは、ほとんどの女性社員が辞めるのではなく育児休暇を取得して、職場復帰してくれています。
國田常務(以下・國)「元気いきいき」で要求されている取り組みの一つに、仕事とプライベートとの両立への配慮というものがあるのですけれど、
プライベートを充実させるには、とにかく早く帰ることが大事なんですよね。ですから、営業時間を30分短縮しました。その分、作業効率を上げる必要があるので、工程管理を見直したり、業務の一つひとつのムダを少しずつ削って全体の効率を上げたりしました。
稲・会社の仕組み全体にわたって見直しをされたのですか。
菅・いわゆるワークエンゲージメント(やり甲斐)の部分は弊社が大切にしているところですから。弊社の会長も常日頃、仕事は楽しくやろうと言っています。「家庭よりも長い時間を過ごす職場なのだから、仕事は楽しくしなければならない」と。
社員同士のコミュニケーションが深まると仕事の生産性も上がる
國・それに関連するお話をしますと、弊社は同好会の活動が盛んです。キャンプや自転車、サッカー、野球と、多彩ですよ。同好会活動の利点は、拠点間の垣根が取り払えること。ふだん会わない人と仲良くなれれば、例えば足りない部品を融通してもらったり、試乗車を交換してほしいとか、頼みやすくなります。つまり、コミュニケーションが醸成されることで生産性が上がるのです。
稲・社是が「人の縁を大切に、和(輪)を大きく広げよう」ということですけれど、日々の業務の中でどう息づいているのでしょうか?
菅・人の縁はとても大切です。営業マンは特に実感しているはずですよ。縁のあるお客様が、新たなお客様を紹介してくださったりするのですから。地域の中で出会えるすべての方との縁を大切にして、つながりの輪を大きく広げていく、そんなイメージを持って仕事をしています。地域に役立つ社会貢献活動として取り組んでいるのは、一つはビーチクリーンです。検見川浜の海岸のゴミを拾ってきれいにする活動を行っています。
活動日は日曜日なので、弊社は営業日ですし、会社として取り組んでいますから、業務の一環として参加してもらっています。
稲・社会貢献も仕事の一部と位置づけを?
菅・プライベートで参加しなさいということになると、どうしてもやらされ感が出てしまう。会社員は社内の仕事だけやっていればいいのではないと理解してほしいのです。その意味で、社会貢献活動も業務に含めておけば、取り組みやすくなると思います。
稲・なるほど。そうして視野が広がれば人間力も上がりますものね。
世界が直面する課題も自分事と受け止め、地域に貢献する活動も熱心に
國・私たちは接客業なので、お客様との対話を考えた時、人間力が上がるかどうかがとても重要です。弊社もSDGs研修を受けたりしているのですが、会社の上層部だけがやればいいことで、自分たちは関係ないというような意識では困ります。その点、弊社の場合は社員一人ひとりがSDGsも含めて、世の中のことを自分事として受け止められるようになっていると思います。
稲・そこまで社員のためを考えてくれているなら、きっと職場の雰囲気はそうとう明るいのではありませんか?
菅・上司も部下もなくコミュニケーションを取り合う風通しの良さはあると思います。
稲・では、今後の事業目標として、どのような展開をお考えでしょうか。
菅・まずはスタッフが心身ともに健康で働ける環境をつくること。接客業という立場で考えれば、お客様の入りやすい、いいお店づくりが私の仕事だろうと思っています。
國・弊社は来年、創業70周年を迎えるんです。私は売上をいくら出すということよりも、弊社を支持してくれるユーザーの方が何名いらっしゃるかがすごく重要なところだと思っていて、70周年を迎えるまでにユーザー数1万2000を目指そうというのが目標の一つです。事業の面でしたら、レンタカー事業を確立させたい。カーシェアが一般的になり、
所有から共有へと時代がシフトしていますが、そうした変化に対応したいと思っています。
稲・さすが「社員いきいき」な企業。私も元気をもらった気分です。ありがとうございました。