勤労市民センター講堂で記念講演会「市船部活動応援クラウドファンディング」、吹奏楽部高橋先生・野球部海上監督も登壇
10/20(木)勤労市民センター講堂で記念講演会「市船部活動応援クラウドファンディング」
吹奏楽部高橋先生・野球部海上監督も登壇
部活動の活躍で全国的な知名度を持っている船橋市立船橋高校(船橋市市場4-5-1)の部活動を応援しようと千葉レスキューライオンズクラブが企画した「市船部活動応援クラウドファンディング」開始を記念した講演会が10月15日、勤労市民センター講堂で行われた。
講演会には、特別ゲストとしてプロレスラーでAED大使の蝶野正洋さんが登場。現場を代表して市船部活動の顧問代表として吹奏楽部顧問の髙橋健一さん、野球部監督の海上雄大さんが登壇。そのほか、同校部活関係者や卒業生、PTA関係者なども会場に駆け付けた。
千葉レスキューライオンズは、船橋市・市川市を中心に主に災害支援とAED普及を目的として全国的に活躍するボランティア組織。今回のクラウドファンディング開設は、「部活動にとっての資金難は救助が必要な有事と認識、こういう時こそ我々の出番」と、組織内で合意に至り立ち上げた。
市船吹奏楽部のクラリネットアンサンブルによる「ジャスミン」、吹奏楽部メンバーによる「市船soul」演奏で幕をあげた記念講演会。「今年、野球部の甲子園だけでなくサッカー部、バスケットボール部、バレーボール部、体操部、水泳部、陸上部、吹奏楽部など各部がインターハイは全国大会に進出。遠征費や滞在費などで1億円以上の費用がかかり、税金だけでは賄いきれない。各部のOB会や父母会が資金集めに奔走した」とライオンズクラブの担当・目谷さんが紹介。
司会を担当した鈴木ひろ子さんが「映画20歳のソウルの全国ロードショー、野球部の15年ぶりとなる甲子園出場。甲子園での応援団、観客が一体となった市船soulには感極まるものがあった」と、市船の甲子園での活躍についてふれると、「15年前も、自分が選手で甲子園に出た時は応援団が100人位だった。多くの方にお越し頂き本当に感謝しています」と、海上監督が感謝を述べる。
「プロレスは試合中に『間』が開かない。野球の『間」がある緊張感が面白さを増している」と、蝶野さんがプロレスと野球の違いについて話を向けると、「選手と監督が同じユニフォームを着て同じベンチに座り、試合に臨んむのは野球くらい。試合中は『一緒に戦う仲間というイメージ』と海上監督。「試合中の監督は、コーチ陣が練習中に積み上げてきたものを言葉をかけて思い出させる役割」と応じる。
また、甲子園での吹奏楽部について「この夏野球部の試合はどの試合も長引いた。一つの回の攻撃で30分以上楽器を吹き続ける事もあったが、生徒たちは皆、アドレナリンが出続けていたので市船soulを演奏し続ける事が出来た」と、高橋先生が振り返る。
これを受け、「運動選手は、自分の試合に集中できるけど、吹奏楽部は全部の部活動の応援に参加し、自分たちのコンクールにも全力を尽くす。実は、一番大変なのは吹奏楽部ではないか」と、感想を漏らす蝶野さん。
また、「人数制限のある演奏会では3年生を必ず全員を出演させる」という市船吹奏楽部の取組について質問が及ぶと、「他校では、人数制限のある演奏会にはオーディションをして臨むところもある。勝つことは『目標』ではなく『手段』や『方法』。どう自己表現してもらい、部活動の中で自己肯定感を得てもらうのか。あくまで部活動は教育の一環」と高橋先生。また、「むしろ、野球部ではレギュラー以外のフォローを一番大切に考えているのでは」と海上監督に話をふる。
「100人近い市船野球部は県内でも3~4番目の大所帯。高校野球は春・夏・秋しか大会がない。他の競技のようにA・B・Cチームが別カテゴリーで試合に出られるわけではないので、一人ひとりの選手に寄り添い目標を持たせ、将来のチャンスに向けて指導している」と話す。
「プロレスとは全然違う世界。表面上取り繕っていてもトップ選手が怪我をしたら助けるものはいないだろう」と蝶野さん。「助け合うのは教育の一環だから。私立では勝たせるためのチーム作りをしているのでは?」と、2人の先生に質問する。
「どの先生も価値を目的にはしていないだろう。しかし、指導者も人であることには変わりない。時に『目的』と『方法・手段』をはき違えてしまう事がある。エゴが出てしまう事がある」と高橋先生。「全員に役割を見つけ妬みや嫉みなどのタネを小さいうちに摘み取っていく。そこ時間と労力を割き、常に心を配っている」とも。「結果としてそういう学校やチームが全国大会に出場していますね」と海上監督も応じる。
記念講演の最後に全国大会に出場した各部活の私立・公立割合を示し、「私立高校の方が全国大会に出場するチームが多く、全国大会という経験を積むことができるのは公立高校では20~良くても30パーセント程度」と、紹介する鈴木さん。「公立高校で全国大会を目指して部活動に取り組める市船は貴重な存在では?」と投げかける。
今回のクラウドファンディングでは、「公立高校なので必ずしも経済的に恵まれていない家庭の子でも部活動を通じて『全国大会を目指す』という経験を積むことができる」と選手たちや保護者が安心して部活動に臨み、選手たちが思い切ってかけがえのない経験を積むことができるるようにと立ち上がった。クラウドファンディングの募集は、12月中旬まで。
全国大会に出場し活躍する「市立船橋高校」の部活動を皆で『応援』して支えよう!! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)