「今月の人」アクアリンクちば 支配人 井上 陽介さん(40)【2022年11月号】
千葉市の人気レジャースポットの一つ「アクアリンクちば」は、新港クリーン・エネルギーセンターの余熱を利用した施設で、アイススケートリンクだけではなく温水プールやレストランも併設されている。指定管理者の㈱パティネレジャー(本社:東京都豊島区)は全国におけるスケートリンクの設計・設営から運営管理まで手掛ける会社。今回は同社の関東事業部に所属し「アクアリンクちば」の支配人を務める井上陽介さんに話を伺った。
台風被害・コロナ禍を乗り越え人気スポット再び
「子どもからシニアまで、世代を問わず年間を通して楽しめる場所です。何十年ぶりにやってみたら、また夢中になったというリピーターさんもいらっしゃいます」と井上さん。就学前児童から大人まで、幅広い年齢層を対象としたスケート教室も好評だとか。また「アクアリンクちば」は、国際規格リンクとしてプロの競技者も利用する質の高い施設で、関東フィギュア選手権大会など、さまざまな競技会が開催されるほか、幕張でアイスショー開催時には練習会場として使われている。
井上さんは北海道苫小牧の出身。学生時代は、氷上ならではのスピード感とプレーの激しさに魅了されアイスホッケーに打ち込んでいたという。大学進学時に埼玉へ移り住んだ後、社会人になってからも地元チームに所属し、当時、通っていた川越のリンクを運営管理していた今の会社から声をかけられて入社したのが15年前だった。
スケートリンクの設営にも携わり全国を飛び回っていた井上さんが、「アクアリンクちば」に配属されたときのこと。「北海道ではスケートリンクと言えば競技用だったので、娯楽施設というイメージがなくて…。みなさんが靴を借りて楽しそうに滑る姿を見てカルチャーショックを受けました(笑)」と振り返った。支配人に就任したのは2年前。現在は管理業務のほか、リンクでのパトロールや接客なども積極的に行い、現場で生の声を聞く機会となっている。そのなかでも「楽しかった」「また来たい」と声をかけてくれる利用者の笑顔にやりがいを感じると話してくれた。ファンも多く地元で愛され続けてきた「アクアリンクちば」だが、3年前の台風では大きな被害を受け休業期間が続いたことも記憶に新しい。さらにリニューアル後はコロナ禍に見舞われ、閉館や営業制限を余儀なくされたが、最近はようやく以前の賑わいを取り戻しつつあるという。
フィギュアスケートは華やかで注目を浴びる競技であることから、スケート人口を増やすには地元からのスター選手誕生に期待したいところだ。しかし県内には競技者が練習できるリンクが少ないことが課題で、競技者にとって「アクアリンクちば」は貴重な練習場所にもなっている。「一般の方、競技者、双方がバランスよく利用でき、かつ安全で使いやすい施設であり続けるためにリンクの質の管理にも最善を尽くしています。これからシーズン到来に向けて、ぜひ多くの方にスケートの楽しさを体験してほしいです」と呼びかけた。
◇アクアリンクちば
◇千葉市美浜区新港224-1
◇℡043-204-7283
http://www.aquarink-chiba.jp/