神無月の香取神宮
国中の神様が出雲に集まる、と言われている旧暦10月の神無月。
香取神宮の神様はその時どこにいるかご存じですか?
東国鎮護のために居残る経津主大神(ふつぬしのおおかみ)
香取神宮に祀られている武神・経津主大神(ふつぬしのおおかみ)は、神無月も出雲に向かうことなく、東国鎮静のために、香取神宮を離れることはありません。
古来より国家鎮護の神として崇拝されている経津主大神(ふつぬしのおおかみ)が、香取神宮を離れずに守ってくれていることで、神々は安心して出雲に集結することができるのかもしれませんね。
出雲からの帰路、立ち寄った神様のおもてなしも行います
出雲に集い、帰郷した東国三十三国の神々は、香取神宮に立ち寄り経津主大神(ふつぬしのおおかみ)のもとに集います。
経津主大神(ふつぬしのおおかみ)と姫神は、お疲れの神々をねぎらう宴を催し、おもてなしをすると言われております。このおもてなしである『大饗祭(たいきょうさい)』は11月30日に厳かに行われます。
神殿には、香取神宮ならではの水郷特産のマコモで組んだ巻行器(まきほかい)と呼ぶ、工夫を凝らした独特の容器に盛られた飯、鮭の鳥羽盛などの特殊な神饌が供され、神々の宴が始まります。
ご馳走は三十九台にも及ぶそうで、その中でも水郷地帯に多く飛来するマガモを捕え、雌雄一対の鴨をさばき、内臓を取り出し、再び羽根を広げたように三方に飾りあげた鴨羽盛は、日本の祭事の神饌では他に例を見ない珍しいものだとか。
かがり火がたかれる境内の中で行われる祭儀は、地元の若者による若武者装束の大和舞の奉納の後、見学者たちは社殿にあがり、間近でこれらの神饌を見学できる時間が設けられております。(詳細は、香取神宮HPでご確認ください)
一週間後には『団碁祭(だんきさい)』が執り行われます
12月7日には、『団碁祭(だんきさい 八石八斗団子祭とも)』が行われます。こちらは神酒の奉納がない特殊な祭りで、新穀で作った団子を奉納する豊穣感謝のまつりですが、饗祭で神々をもてなした香取の姫神を慰労する祭りであるとも言われています。
社叢(しゃそう)の木々も徐々に色づき始めました
香取神宮の神域では、例年11月中旬から12月にかけて本格的な紅葉を楽しむことができます。
そして、11月1日から11月24日までは「香取神宮奉納菊花大会」も開催されております。
こちらは、『江戸優り佐原文化芸術祭2022まちぐるみ小劇場』の一部でもあるんですよ。
文化に触れる神無月。経津主大神(ふつぬしのおおかみ)居残っていることから、香取市でも『神在月』と呼ぶ方もいらっしゃるそうです。
『大饗祭(たいきょうさい)』、『団碁祭(だんきさい)』は日本広しといえども、執り行われるのは香取神宮だけ。
そんな特別な儀式が行われる秋の香取神宮に足を運んでみませんか。
香取市香取1697-1