チバカツカンパニー 海老原ダンススクール【2023年9月号】
JR西千葉駅近くのビルに教室を構える。経営者の正志さんと晴美さんは数々の競技会で好成績をあげてきたプロダンサー。多彩な講師陣とともに、初心者にも競技会指向の踊り手にも嬉しい懇切丁寧な指導を実施する。
ずっとダンスを好きでいてほしいから、そのための環境を作ろうと努めています
今回、小紙編集部記者・稲しん子が訪ねたのは、西千葉の社交ダンス教室「海老原ダンススクール」。主催者の海老原正志さんと、奥様でダンスパートナーでもある海老原晴美さんにお話を伺い、ダンスの楽しさや教室運営の理念などを教えていただきました。
開校57年 千葉で指折りの老舗ダンス教室
稲しん子(以下・稲)こちらの教室は今年で何年目になるのでしたっけ?
海老原正志さん(以下・正)親の代からですので57年目です。私が運営を引き継いで25年ほどになります。
稲・では、正志先生は根っからの西千葉民ですか?
正・西千葉が地元です。義務教育は緑町小学校と緑町中学校で受けましたよ。
稲・ずっとダンスひと筋だったのですか?
正・実は違います。小さな頃はお菓子やオモチャのご褒美に釣られて、パーティなどで両親と踊ったりはしていましたけれど、中学高校になると、照れくささもあって、少しダンスから離れた時期もありました。実は普通に大学への進学を考えてたりしたんですよね。でも、受験に失敗してしまいまして…。それを機に考え直し、両親の教室を手伝うことにしたんです。本格的にダンスと向き合ったのはそれがスタートですね。
稲・でも結局、ダンスが天職だったということですよね。
正・両親の踊る姿を子供の頃から見ていたので、ダンスで生きていくこと自体は自然な選択肢の一つでしたけれど、すんなり後継者の席に収まったわけではなく、武者修行に行くことになりました。都内にある、経営者が元全日本チャンピオンのダンス教室に、約5年間勤務させていただきました。
稲・勉強してこいと。
海老原晴美さん(以下・晴)アルバイトもしたことがない人だったんで、世間の風の冷たさを知っておいた方が良いということでしょうね。その経験があるから、今も続けられているのではないかと私は思います。正志先生、けっこうお坊ちゃま気質なところがありますもん(笑)。
正・かなり厳しく鍛えられましたよ。ダンスの世界って実力本位で、優秀な人は後から来てもどんどん先輩を抜いて行く。私の半年後に入ってきた後輩がまさにそうで、競技会で日本一になるような才能あふれる人でした。あっという間に抜かれてしまい、悔しかったですけれど、その悔しさを知っておくことも私にとっては重要だったんでしょうね。
自分のペースでのレッスンが可能 年齢に関わりなく楽しめる
稲・「無料体験レッスン」というのがありますね。こういうのがあると、私もちょっとやってみたいなと思います。
晴・私のスタジオだけでなく、多くのダンス教室が行っていますよ。無料体験をしてみて、自分に合った教室を選ぶと良いです。経営する側としての課題はその後。ここから先は入会金が必要ですとなると、躊躇されるお客様が少なくないんです。そこで、入会金割引、レッスン料もお手頃の「初心者プライベートレッスン」というコースを作りました。これで25分の個人レッスンを10回受けられます。
稲・ハードルを下げたのですね。
晴・そうしたら、次の「初級者プライベートレッスン」をそのまま受ける方が多かった。これも費用を抑えて10回の個人レッスンを受けられるコースです。計20回のレッスンで、社交ダンスの初歩くらいは何となく身に付いているというレベルになれます。
稲・そこまで行けば、継続して教わってさらに上手くなりたいのが人の心理(笑)。
晴・もう少し高度なステップを覚えたい方は通常の個人レッスンを受講していただき、踊りたいけれど費用が心配な方はグループレッスンでしたらリーズナブルに受講できます。そのような形で、様々な受け皿を用意しました。
稲・選択肢がたくさんあるのは嬉しいです。
生徒さんはどのような方がいらっしゃるのですか?
正・それはもうバラエティに富んでいます。
若い方から90歳くらいの方まで。社交ダンスは歳を重ねてもできますから。個人とグループを掛け持ちしている方もいらっしゃいますし、週5日いらっしゃる方もいれば、月1回の方もいらっしゃる。皆様ご自身のペースでレッスンにいらしています。
稲・参加の仕方は自由なんですね。
正・目の不自由な生徒さんもいらっしゃいますよ。ブラインドダンスというジャンルがありまして、健常者がパートナーとして支えて踊るんです。二人で演じるからこそ広がる可能性があるんですよね。
稲・生徒さんも十人十色。
晴・誰もが長く続けられる環境を作りたいと思っています。ダンスは趣味として楽しむこともできて、競技会を目指して戦うこともできる。いろいろな道があるんです。自分を出したい人はパーティで発表できますし、ダンス仲間を見つけたいなら公民館のサークルに入っても良いと思います。
稲・パーティと言いますと?
正・私のスクールが主催しているイベントです。毎年夏と冬に海浜幕張や千葉みなとのホテルで開催していて、それが生徒さんたちの晴れ舞台の場です。アマチュアデモンストレーションという形の発表会なんです。前回は100人近くいらしていただきました。生徒さんだけでなく、応援のお友達も駆けつけてくださるんです。
講師陣も多士済々ウォーキングや整体の先生も
稲・そうすると、海老原さんの教室は自分なりの学び方でダンスを楽しめるのが一番の特徴でしょうか?
正・そうですね。生徒さん一人ひとりの個性に合わせてレッスンさせていただいています。生徒さんによってはスタンダードがやりたいとか、ラテンをやりたいとか、特定のジャンルを指定していらっしゃる場合もありますし、さらっとでもトータルに学びたいという人もいて、本当に人それぞれなので。
晴・先生も多士済々ですよ(笑)。新しく若手の先生にも入ってもらいましたし、ベテランの先生は競技会の世界ではトップランクの経験者もいます。体験レッスンでは私が見て、「この人はあの先生が合いそう」と思ったら、その先生のレッスンをお薦めしたりします。
正・ウォーキングの先生もいます。もともとは社交ダンスの世界で大活躍されていたんですが、今はプレシャスウォーキング・インストラクターの有資格者で、長野県から月1回、指導に来てもらっています。ハイヒールで歩く時とか、普段の姿勢がきれいになると生徒さんには好評です。
晴・ジェンダーレス化は社交ダンスの世界でも進んでいて、同性同士で踊る「ラテンダブルス」というジャンルができたんですが、
その第一人者と目されている先生にも月1回来ていただいています。そう考えると「月イチレッスン」ってうちの売りかも(笑)。
稲・それは面白いですね。
晴・整体のスタッフも入りましたし、近々ピラティスの先生も呼ぶ予定でいます。
稲・計画が目白押しでこれからも楽しみですね。今後も応援させていただきます。今日はありがとうございました。
海老原ダンススクール
所在地:千葉市中央区松波2-8-3MAビル2F
(JR西千葉駅より徒歩約3分)
https://ebiharads.com/