チバカツカンパニー「千葉らぁ麺」(千葉市中央区蘇我)【2023年12月号】

  2023/11/30
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ユニークなアプローチで地域活性に取り組むラーメン屋さんがある・・・そんな情報を入手した小誌編集部記者・稲しん子が向かったのは、ショッピングモール「アリオ蘇我」。1階フードコートの一角にある「千葉らぁ麺」さんがそのお店です。マネージャーの小林秀匡さんを直撃し、熱くて深い千葉愛を存分に語っていただきました。

千葉の魅力を発信することがこのお店を始めた目的です

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地域活性に繋がるコラボレーションの多彩な実績

稲しん子(以下・稲)お客様が次々といらっしゃっていますね。

小林さん(以下・小)おかげ様でご贔屓をいただけています。平日はお昼時と夜、土日はほぼ終日ご来店いただいていて、麺の量にすると1ヵ月で1万玉ほどになります。

稲・単純計算で1日平均300食以上ですか…。フードコートという場所柄、調理場のオペレーションがとても重要になるのでは?

小・スタッフには暑い中頑張ってもらっています。調理を効率化する工夫としては、
スープ作りに骨ではなく挽き肉を使い、野菜類も加えて2~3時間煮出せばダシが取れるようにしています。煮出す時間よりタイミングが大事だと思っていて、最も美味しくなる瞬間を逃さないようにする。その点についてはスープ作りだけではなく、かなり研究しました。

稲・一番人気のメニューは何でしょう?

小・あっさり醤油ですね。当店にとって最も重要な基本メニューです。醤油は銚子市のヤマサ醤油さんにプライベートブランドで千葉らぁ麺用のタレを作ってもらっています。ヤマサ醤油の醤油は味にブレがなくベースを作ってくれます。そこに、富津市の宮醤油さんの醤油を加え、キリッとした深みのある風味を出しています。

稲・いずれも千葉を代表する老舗です。

小・千葉らぁ麺には3つの定義がありまして、まず一つ目が「千葉県産の醤油を使用する」。二つ目が「千葉県の製麺所を使用する」。三つ目が「千葉県産の野菜を使用する」なのです。

稲・とことん千葉にこだわったラーメンだぞ、と。

小・食を通じて千葉を活性化し、新しい千葉の魅力を発信することを目的としてスタートしたお店ですから。

稲・活性化は例えばどのようなことを?

小・継続的に取り組んできたのはコラボレーション企画です。2012年に鴨川市のご当地アニメ『輪廻のラグランジェ』とコラボしたのが最初。アニメに登場するロボットをイメージし、千葉県産の小松菜を使ったグリーンの麺やスープを提供しました。チバテレで放送されているご当地ヒーロー『鳳神ヤツルギ』ともコラボしています。ドラマの中で出てくるラーメンが、実際にここアリオ蘇我のフードコートで食べられますという仕掛けです。それから、wacciやACIDMANといったミュージシャンの方々ともコラボさせていただいています。

稲・取り合わせの意外性が興味深いです。

小・とりわけ貴重な経験になったのが、「東日本大震災復興支援イベント・まるグル」料理グランプリへの参加です。bayFMの『HEARTLUCK』という復興支援をテーマにしたラジオ番組のパーソナリティを務めていらっしゃるKOUSAKUさんが当店のラーメンを召し上がってくださり、ここまで千葉の良さを謳うラーメンがあるのかと感銘を受けたとのことで、「ぜひイベントに参加してほしい」とお手紙をいただいたのです。驚きましたが、せっかくのお誘いだし、スタッフたちは乗り気になってくれたので、参加しました。2012年の幕張開催、2013年の館山開催と幕張開催の3回にわたって優勝し、殿堂入りを果たしました。

稲・それは素晴らしい。

小・いただいた賞金を資金に新しいご当地グルメを開発したいので、千葉の美味しい食材を教えてほしいとKOUSAKUさんのラジオ番組で話をしたところ、大勢の仲間が集まってきたのです。その発展形として「千葉県応援プロジェクト」という任意団体を創設しました。千葉県産の食材を活用する様々な活動を重ね、KOUSAKUさんを通じて被災地に寄付することもできました。

稲・また新たな方向性へ広がりが生まれたのですね。


イベントを通じて子供たちに「大人の楽しさ」を伝える

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小・2015年でしたか、アリオ蘇我の当時の支配人が、「そんなに千葉の魅力を発信しているなら、屋外広場で千葉の地域活性化に繋がるイベントをやってみる?」とプッシュしてくれて始めたのが「千葉ハレノヒ万博」です。千葉のおいしい食を集めたフードカーニバルあり、マーケットあり、KOUSAKUさんの『HEARTLUCK』の公開収録ありと、バラエティに富んだコンテンツ。2回目からはプロレス団体「ZERO1」とコラボできました。南房総市の社会貢献アイドル・WHiTE BEACHさんにも出演していただきましたし、2017年には千葉の英雄・ジャガーさんの出演も実現。wacciさんには2018年と2019年の2回、ご登場いただきました。

稲・千葉の面白さを濃縮したかのようです。

小・表のテーマは千葉の活性化なのですが、
サブテーマは子供たちに「大人は楽しいんだ」と伝えること。プロレスを通じて壁にぶつかっても立ち向かっていく姿がカッコいいとわかってもらいたいんです。本当のヒーローは、君たちのお父さんやお母さんなんだよというメッセージが伝わったら良いなと思います。

稲・深い意味があるんですね。

小・千葉らぁ麺マンというキャラクターも作りました。プロレスのリングに立ったり、ローカルヒーロー祭に出演したりまでして何をアピールしたいのかというと、普通のラーメン屋のオヤジでも一歩を踏み出せばできることがあると訴えたかったのです。

稲・なるほど。今年の夏にもユニークな企画をやっていらっしゃいましたが。

小・青い麺のブルーサマーつけ麺ですね。千葉市観光協会からのお声掛かりで、湾岸地域のお店が青いフードで観光を盛り上げるブルーエリアプロモーションに参加しました。

稲・青い麺って、とてもインパクトがありSNS映えしそう。

小・注目してもらえるだけでもやる意味があると思い、取り組みました。小麦から厳選した麺はもちもちした食感が美味しいと言っていただけて好評でした。それを受けて、10月には「ダイヤモンド富士をイメージしたラーメンを作ってほしい」という観光協会からのオーダーにもお応えしました。 

稲・努力がきちんと結果になっていますね。これからの計画はどうなりますか?

小・今後もたくさんの人々と出会って、私たち千葉らぁ麺が取り組んできた千葉を盛り上げるアクションを広げていきたいです。いろんな人が、それぞれの立場で地域貢献を考え行動している状況が理想。「自分もやってみよう」という前向きさを引き出すきっかけ作りになれば嬉しいです。その広がりの輪が地域活性に繋がっていくのではないでしょうか。

稲・その熱い思い、しかと受け止めます。今日はありがとうございました。

千葉らぁ麺

キッチンカーの出店などイベント向けフードサービスを中心に展開する株式会社ワークストア・トウキョウドゥが2011年に開業したラーメン店。醤油、味噌、つけ麺、ぶた丼のグランドメニューはどれも大人気。また、遊び心たっぷりの期間限定メニューも注目を集める。

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