どうなる?京葉線快速廃止ダイヤ改正騒動【2024年2月号】

  2024/2/1
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JR東日本はこの3月のダイヤ改正において京葉線(東京~蘇我)の朝夕夜間の時間帯の「快速」、「通勤快速」を廃止し、各駅停車のみの運行にすると発表。熊谷俊人県知事や神谷俊一千葉市長他周辺自治体らが「容認できない」と反発しJRに申し入れを行うなど波紋が広がっている。それに対しJR千葉支社は早朝の上りで快速電車2本を継続すると発表した。ダイヤ改正発表後の見直しは極めて異例だ。しかし熊谷知事、神谷市長ともに依然として納得には至っていないとの考えを示した。

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JR京葉線は蘇我駅(千葉市中央区)と東京駅(東京都千代田区)間43キロを結ぶ路線。昭和61年の部分開業を経て平成2年に全線開通した。千葉市や船橋市、市川市、浦安市のベイエリアでの宅地開発が進んだことや、総武線、地下鉄東西線の混雑緩和を目的に従来の貨物線を旅客線に転用した路線だ。全線開業と同時に快速運転も始まり、八丁堀、新木場、舞浜、新浦安に停車すると幕張メッセや幕張副都心を擁する海浜幕張すら通過し(現在は停車)検見川浜まで停車しない速達性をもっていた。

その後、海浜幕張の他、南船橋や千葉みなとも停車するようにはなったが終日にわたり快速の運転本数は多く、例えば稲毛海岸から東京へは全15駅中半分の7駅を通過(別図)するなど千葉市内やそれ以遠の利用客には便利な路線と言えた。また昨年にはイオンモール幕張新都心の最寄駅として幕張豊砂(快速は通過)駅も新規開業し、生活路線としての顔も持ち合わせている。沿線の宅地開発も進み東京のベッドタウンとしての価値も高いエリアだ。そんな中にあって3月16日に行われるダイヤ改正での京葉線朝夕の快速、通勤快速の廃止は驚きと共に通勤利用者にとって大きな影響を与える決定と言える。

JR東日本千葉支社によると快速、通勤快速の混雑が激しくなっているので一部の列車に集中しないようにすることで混雑緩和を図るとしている。しかし駅ホームの混雑緩和や各駅停車の通過待ちがなくなるなどの効果はあるかもしれないが、所要時間や生活リズムなど様々な「負」の要素が大きすぎる。東京から快速利用で海浜幕張まで30分、検見川浜まで33分、稲毛海岸まで35分で到着するが、各駅停車だと速達性は感じられない。

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利用客の声も否定的な意見が多い。

●「所要時間が増えるのも嫌だし、各駅停車だと今まで通過していた駅に止まることでイライラすると思う」(稲毛海岸~東京/33歳会社員)
●「何故そんなことをするのか全く理解できない。利用者の声を聞いて利便性を上げるのがJRのすること、これでは利用客の不満を増幅させるだけだ」(検見川浜~東京/47歳会社員)
●「生活環境や通勤に便利ということで稲毛海岸にマンションを買いました。東京まで30分ちょっとで行けるのは便利だったんですがね。それに各駅停車だってそれなりに混むだろうから通勤が苦痛になりそうです」(稲毛海岸~八丁堀/39歳会社員)
●「私は茅場町まで通勤していますが、総武線、東西線にルートを変更しようかと思います」(稲毛海岸~八丁堀/51歳パート)

などネガティブな話しか聞かれないのが現状だ。さらにこの問題は通勤時間だけではなく、地域の住宅需要や地価下落の懸念など都市開発にも影響を及ぼす可能性も指摘される。

JR側は当初この決定を変更する予定はないとしていたが、自治体の長を始めとするあまりの反響の大きさに朝の時間帯に快速2本の継続を決めた。一度発表したダイヤ改正の見直しは異例で、ある程度の評価は出来る。しかしその内容は到底納得出来るものではない。

蘇我から先の内房線、外房線から直通する通勤快速の廃止は変わらず、維持される快速は稲毛海岸を7時前に発車する電車で上りの通勤ピーク前になる。JRにはこのような利用客の声に耳を傾け、より便利な路線になるような企業努力を求めたい。

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