
祖父の鰹節店で間借り営業・夢の駄菓子屋開業 市川の神谷さん「地域の子どもの居場所に」
5/29(金)祖父の鰹節店に間借り、夢の駄菓子屋開業
市川の女性「地域の子どもの居場所に」
市川市在住の神谷朱海(あみ)さん(26)が、祖父の営んでいる鰹節店「かつぶしサカイ」(市川市新田2-25-15、TEL047-379-0902)一角で、2024年2月23日に「駄菓子屋Vermeil(バーメイル)」を開業。この2月に1周年を迎えた。
店舗は市川駅と本八幡駅の中間地点。子どもたちや近隣住民が気軽に立ち寄れる場所として、地域に根ざした店づくりを続けている。
神谷さんは、自身が幼少期に通った駄菓子屋の記憶を胸に「いつか自分の店を持ちたい」との思いを抱き続けていた。
物件セミナーでの出会いをきっかけに、祖父の鰹節店一角を活用して夢を実現。「子どもたちにとって、放課後に立ち寄れる安全な場所を提供したい」と語る。
約300種類の駄菓子を取りそろえ、仕入れは船橋市場の山下商店や葛西のタジマヤから行う。人気商品は当たり付き駄菓子やヤングドーナツ、ポテトフライなどで、季節や客層に応じて品ぞろえを調整。神谷さん自ら問屋を回り仕入れから行う。
限られたスペースに多くの商品を陳列するため、子どもたちと協力して店内のレイアウトを工夫、ここまでの営業で売れ筋商品が読めるようになり商品アイテム数も的を絞れるようになってきたという。
平日は放課後の友人と訪れる子どもたちが短時間で買い物を楽しむ場所としても活躍、休日には長時間滞在する常連客も多い。
「友達と静かに過ごしたい子も安心して来られる場所にしたい」と神谷さんは話す。
イベント出店にも積極的で、自主的にSNSなどで出店先を探し出店経験も積んでいく。子ども向けには単品販売、大人向けには詰め合わせを展開し、「お土産としても好評」と手応えを口にする。
今後は空き家やカフェとの併設型店舗を構想しており、「いつか、カフェと駄菓子屋を融合させた店を開きたい」と夢を語った。
「ここで過ごした思い出が、子どもたちの中で将来につながっていけばうれしい」。神谷さんが手がける小さな駄菓子屋は、地域の温かな居場所として静かな存在感を放っている。
営業時間は水曜12時~20時、木・金14時~20時、土日10時~18時、月火定休。