銚子小畑新町で“海と人をつなぐワイン”へ一歩 ブドウ苗植えに10人参加

  2026/3/29
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 千葉県銚子市小畑新町で3月28日、銚子葡萄酒醸造所 座古萬蔵商店(代表・坐古拓也さん)が主催するイベント「銚子醸造ワイン ブドウ苗植え」が行われ、銚子市地域おこし協力隊も含め10人が参加した。

苗植えから始まる銚子ワイン 2028年の醸造へ第一歩

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 当日は晴天に恵まれ、参加者は苗木の植え付けや枝の固定、水やりなどの作業を体験。苗木の本数は150本、全て白ワイン用の品種。
 
 初めて農作業に触れる参加者からは「想像以上に体力を使うが、目的を持って体を動かす楽しさがあった」といった声が聞かれた。昼食を囲んだ交流の時間もあり、地域ならではのつながりが生まれる場となった。

 同醸造所は2023年にワイン造りを開始し、現在3年目。ブドウの自社栽培にも取り組んでおり、今回の苗植えはその第一歩となる。順調に育てば3年後に収穫が可能となり、年間約2トンのブドウから約2000本のワイン生産を見込む。自社ブドウによる醸造は2028年ごろの開始を目指す。

漁師に認められる一杯を 銚子から次の100年へ

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 坐古代表は、創業100年以上にわたり地域の食品加工業を支えてきた歴史を踏まえ、「地域に支えられてきた分、次の100年につながる事業で恩返しがしたい」と語る。収益化まで時間を要するワイン造りに挑む背景には、地域に根差した新たな価値創出への強い思いがある。

 銚子は日本有数の漁師町であり、同時に醤油醸造など“醸造文化”が息づく地域。同醸造所が目指すのは、そうした土地ならではの「魚に合うワイン」だ。坐古代表は「まずは漁師さんに飲んでもらいたい」と話す。「毎日魚と向き合っている人たちに認めてもらえるものをつくることが、本物だと思う」と、その基準を明確にする。

 一方で、その思いは地域の外にも向けられている。「なぜ銚子でワインなのか、魚に合うとはどういうことかを、一般の方にも知ってもらいたい」とし、「銚子の食文化や漁師の暮らしごと感じてもらえるワインにしたい」と意欲を見せる。

銚子から広がるワイン 販売と交流で育つ地域の未来

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 現在は他地域のブドウで醸造したワインを販売しながら、醸造と栽培の両面で試行錯誤を重ねている。商品は、フラッグシップモデル「KISSAKI」(各3960円)や、日常的に楽しめるシリーズ「漁師は歌う」(2530円〜3190円)などを展開。

 これらは、銚子市内の酒販店「酒の駅かまた」「海保酒店」「酒のたかしま」、観光施設「犬吠テラステラス」のほか、千葉市や東京都内の酒販店でも取り扱う。直営店(銚子市東芝町)でも不定期で販売している。

 今後は、今回のような苗植え体験などを通じて関係人口の創出も視野に入れる。「ワインをきっかけに人が集まり、関係が生まれ、それが地域のにぎわいにつながっていけば」と坐古代表。

 「少しずつでも地域に愛されるワインに育てたい」。銚子の海と人、そして文化をつなぐ挑戦が、静かに動き始めている。
ホームページ:https://zakomanzoushoten.com/
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