市役所前で新春恒例の梯子乗り、高さ6.3メートルでの伝統芸に歓声
1/6(金)市役所前で新春恒例の梯子乗り
高さ6.3メートルでの伝統芸に歓声
船橋市役所前(船橋市湊町2-10-25)で1月6日、毎年新春恒例となっている「梯子乗り」と「木遣(きや)り歌」の披露が行われ、市職員や市民ら約100人が市の伝統芸能の技に拍手を送った。
梯子乗りと木遣り歌は、昭和44年に「市指定無形民俗文化財」に認定された船橋市の伝統芸能。江戸時代に船橋の町火消したちによって行われていたものが脈々と受け継がれ、昭和10年ころから正月に行われるようになったと伝えられている。
梯子乗りは主に「船橋鳶職(とびしょく)組合」の「若鳶会」に、木遣り歌は同組合の「親鳶会」に伝承され、同日も組合の約20人が登場した。
前半の「梯子乗り」では、約6.3メートルの梯子の上に5人の演技者が次々と登り、梯子の上から火事の様子を確認したことに由来する「トオミ」や、梯子の頂上で背中だけでバランスを取る「セガメ」などの技を披露。
10数人の土台役の力だけで支えられる不安定な梯子の上で、命綱をつけずに次々と技を繰り出す姿に、見物客から歓声と大きな拍手が送られた。
後半は伝統の仕事歌である「木遣り歌」の合唱。重さ10キロ以上もあるという纏(まとい)を振りながらの迫力ある歌声が響いた。最後に、「新年が幸多きものになるように」と祈りを込めて、観覧客と共に三本締めを行い、約15分にわたる演技披露が終了した。
最前列で観覧し、終了後すぐに出演者たちに駆け寄った松戸市長は「これを見ると新年が来たという気持ちになる」と言葉をかけた。
梯子乗りの大役を見事に果たした川野辺豊樹さんは「お正月と夏祭りで披露するため、夏と冬それぞれ約1カ月前から週2、3回の練習をして臨む」と話す。さらに「梯子の上は怖いが、先輩たちの指導や支えのおかげで無事に技を披露できた」と笑顔を見せた。