陸上自衛隊第1空挺団「令和5年降下訓練始め」、初となる日米英豪4カ国での実施
1/9(月)陸上自衛隊第1空挺団「令和5年降下訓練始め」
初となる日米英豪4カ国での実施
陸上自衛隊習志野駐屯地(船橋市薬円台3-20-1)の習志野演習場(船橋市習志野、八千代市)で1月8日、陸上自衛隊第1空挺団による「令和5年降下訓練始め」で離島奪還訓練が公開され、来場者は訓練などを見物した。
降下訓練始めは1年間の降下訓練の安全を祈る「開傘祈願祭」として部隊内で1969(昭和44)年から行われてきた。新型コロナウイルス感染拡大からここ2年間は一般公開を行っていなかったが、今年は3年ぶりに一般公開での実施となり、さらに今年はアメリカ軍だけでなく、イギリス軍、オーストラリア軍も参加し、初となる4カ国での実施となった。
会場内には自衛隊に関するグッズを販売する店舗も出店していたほか、自衛隊の服を着用して撮影できるブースなども設けられていた。全国各地から集まった自衛隊ファンだけでなく、自衛官の妻と子ども、子どもと一緒に来場する近隣住民など、多くの人出があった。
訓練展示では、奪われた離島を奪回するというシナリオに添って、ヘリコプターにより部隊を機動・展開する「ヘリボン(ヘリボーン)作戦」の実施が1時間半ほどで行われた。さまざまな航空隊の協力の元、全国から選抜されたという約100人の隊員が降下し落下傘が開傘すると、会場からは「すごい」と声が上がっていた。
地上戦を支援するため、戦闘ヘリコプターAH-1S(通称「コブラ」)や輸送ヘリコプターCH-47(通称「チヌーク」)が観客席のすぐ側を飛行し、特殊装備を装着した「スナイパー」と呼ばれる隊員が多用途ヘリコプターUH-1J(通称「ハンター」)のスキッド(ソリ状の部分)に立って登場したり、ヘリコプターに隊員がロープで吊り下がった状態で登場したりすると、観客席からは「かっこいい」「すげぇ」と声があがり、中には隊員にむけて手を振る観客の姿もあった。
さらに、水陸両用車AAV7、10式戦車や74式戦車なども上陸。その後、敵部隊を撃破し離島を取り戻した後、米英軍の空挺部隊が降下して地上に展開し、訓練展示が終了した。
東京都から降下訓練始めに初来場したという10代男性2人は「年明けからこんなに見応えのあるものが見られてうれしい、幸せだ」と興奮気味に話した。
市内在住の40代女性は「過去にも訓練展示を見たことがあったが、降下訓練始めは初めて。自衛隊の動画配信を一緒に見ると、解説がよく聞こえたし、隊員と大隊長との無線やり取りも聞こえて臨場感があり、楽しめた。この広い敷地の中に入れただけでもうれしい。けど、この展示を見て、やはり戦争は起きてほしくないと感じた」と話した。