東邦大学学生が船橋大神宮で植物調査、国が認める保護緑地の登録を目指して
10/26(木)東邦大学学生が船橋大神宮で植物調査
国が認める保護緑地の登録を目指して
東邦大学(船橋市三山2-2-1)の理学部生命圏環境科学科が設置している「生命圏フューチャー・センター」の活動の1つである「船橋大神宮生態調査プロジェクト」のメンバーが10月22日、意富比神社(通称:船橋大神宮、船橋市宮本5-2-1)境内で2回目の植物調査を行った。
同団体は船橋大神宮(以下、大神宮)の自然を環境省のOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域。Other Effective area-based Conservation Measures)に登録し、国が守るべき緑地として認知し、保全されることを目指して活動している。
OECMとは、国立公園などだけでなく、里地里山や企業林や社寺林などのように、地域、企業、団体によって生物多様性の保全が図られている土地のこと。このOECMを国際データベースに登録することで、その保全を促進し、登録内容は環境省の「自然共生サイト」(自然共生サイト|30by30|環境省 (env.go.jp)で公開している。
同プロジェクト代表の宮崎いつ歌(か)さん(23)は、船橋で生まれ育ち、湊町に住む。幼いころから大神宮は身近な場所で、高校2年生の時からは巫女として同神社に奉仕している。大神宮の「境内の植物について参拝者に説明できたら」との思いを知った宮崎さんは、同大学大学院で環境科学を専攻していることから、同プロジェクトの仲間とともにこの夏から調査を始めた。
「調査してみると思っていた以上の多くの種類の生物が大神宮には存在している。海辺に近いからこそのトベリやシャリンバイなどの植物、絶滅が危惧される日本ミツバチやヤマユリも見られる」と宮崎さん。
大神宮の神職である千葉由美子さんは「参拝者に植物や生き物の名前を四季によりそって説明ができ、マップも作れたらと考えている」と話した。
同日、プロジェクトメンバーは大神宮の許可を得て、お祓いを受けたあとに境内の植物の調査を始めた。子どもの頃から植物が好きだという同大学大学院生物学科の山本康生さん(23)と木村健太(23)さんは次々に樹木の名前を判別し、メンバーは地図に記入したり、写真を撮って記録するなどしていた。「この調査の結果を提供してこの森の魅力を発信できれば」と山本さん。
宮崎さんは「来年の春の調査後、今までの記録をまとめて、大神宮と共同で環境省にOECMの申請をする。OECMに登録され、国際的にも保護すべき自然緑地と認められることで、将来消失してしまうことを防ぎ、地元の皆さんが大神宮の自然に触れ安らぎの得られる場所としても知ってもらえれば」と話した。