金杉のロッカー式野菜自販機「Vege Rhythm」が事業好調、マルシェで地域住民との交流も
3/2(土)金杉のロッカー式野菜自販機「Vege Rhythm」が事業好調
マルシェで地域住民との交流も
元アパレル店長が2021年10月から始めたロッカー式野菜自販機「Vege Rhythm(ベジリズム)」(船橋市金杉4-7-3)が、採れたての新鮮野菜を手軽に購入できると評判を集め、徐々にリピーターを増やしている。
同販売所を運営しているのは、金杉で江戸時代から代々続く農家の鈴木佑吾さん(35)。県内のサーブブランドのアパレルショップで約6年間店長を務めた経験を持つ鈴木さんは、2020年に船橋に戻り就農。「先祖代々続いている農家なので、後世に継いでいきたいと思っていた」と話す。
販売所開設の経緯について鈴木さんは「一人暮らしをしていた頃、スーパーで買った野菜が実家で食べていたものとあまりに違うのでショックを受けた。畑がある金杉で、採れたてのおいしい新鮮野菜を買うことができる場所を作りたかった」と話す。「おいしい野菜を食べれば話が弾み、調理するのも食べるのも楽しくなる。そんなハッピーな野菜を目指している」とも。
ロッカー形式の自販機を置く約1.5坪ほどの小屋は、鈴木さんが父親と手作りしたもの。ビーチリゾートのような雰囲気の小屋について鈴木さんは「農家っぽくない名前で、若い人でも立ち寄りやすいポップなデザインにした」と明かす。
野菜を切らさないよう、扱う品種は年間約36種類に上る。小屋の中には野菜の特徴やレシピを手描きして掲示している。野菜の補充は一日3~5回で、単価は100円〜500円程度。自販機は100円玉のみ使用可能。
近隣に住む女性は「インスタグラムでネギのアヒージョを見て買いに来た。新鮮で質の良いネギだからこそのおいしさだった。また買いに来たい」と話す。
鈴木さんは「『野菜は安いのが正義』という常識を払拭したい。うちの野菜は決して安くはないが、おいしいと思ってもらえる自信がある」と胸を張る。「10年後には自分や両親は市場出荷の重労働に耐えられなくなる。商品価値を高め、利益率を高められる方向に転換していかないと生き残れない」と覚悟をのぞかせた。
都市型農業のメリットを生かして、「奈良養鶏園」(船橋市馬込町1161)や「芳蔵園」(船橋市二和東2-7-7)など近隣の一次産業者同士のつながりを生かした販売網の拡大や、自主開催の野菜直売会も開く。3月10日には「金杉マルシェ」と題した野菜直売会を予定している。