「三須トマト農園」と飲食店「963」がケチャップを共同開発、トマトの廃棄を減らすために市内加工所で製造
4/3(水)「三須トマト農園」と飲食店「963」がケチャップを共同開発
トマトの廃棄を減らすために市内加工所で製造
「三須トマト農園」(船橋市印内3-37-3、TEL 050-3637-7450)がトマトの廃棄を減らすために「963ファクトリー」(日の出1)と共同開発したオリジナルケチャップの発売から半年ほどが過ぎ、現在、市内各所で販路を広げている。
「三須トマト農園」は、トマトを中心にイチゴやキュウリなどをハウス栽培している農園。季節や気候によりトマトの成熟が一気に進んでしまった際に、どうしてもトマトのロスが生じてしまうことに頭を悩ませていた。「トマトの収穫期は冬から春にかけて。一気に成熟すると同時に共に他県の産地と競合してしまいロスが出てしまう」と三須さん。 「その後、トマトの栽培が終わった真夏には販売するものがなくなってしまっていたことも悩み」とも。
一方、市内で「963(くろさん)」など複数の飲食店を経営し、2年前には食品加工場「963factory」を立ち上げた黒川裕士さんは、これまでに自身のオリジナル商品「クラムチャウダー」だけでなく、規格外の「船橋にんじん」を使ったポタージュスープを商品化するなどの取り組みを積極的に行ってきた。そこで三須さんがマルシェで知り合った黒川さんにトマトのロスについて相談を持ちかけたという。
そこで、保存性や作業効率の高さに加え、将来的にブランディングがしやすいという観点からケチャップに目を付け、半年以上の開発期間を経て2023年7月15日、オリジナルケチャップ(300g、1,000円)が完成し、発売した。
ケチャップ開発について、同農園の三須一生さんは「無添加であることはもちろん、トマト本来の甘さと濃度にこだわった」と話す。ケチャップは2種類製造し、トマトの酸味がほどよく残ったものと、濃厚なトマトの味を残したものの2種類となっている。
「農家だからこそできるトマトのおいしさを加工品で再現できてかなり満足している」と妻・美智子さん。黒川さんは「我社の技術が商品ロスに悩む地元農家のお役に立てればうれしい」と続けた。
ケチャップは同農園の直売所のほか、市内マルシェイベントなどへの出店時などに販売する。「三須トマト農園」が週2日移動販売車で出店していた西船4丁目の場所には、2月に新たに自動販売機を設置。ケチャップのほかにトマトなどの農産物も販売する。