湊町小学校「全校潮干狩り」が5年ぶりに復活、地域の海に親しむ伝統行事
5/24(金)湊町小学校「全校潮干狩り」が5年ぶりに復活
地域の海に親しむ伝統行事
湊町小学校(船橋市湊町1-16-5)の恒例行事「全校潮干狩り」が5月23日、ふなばし三番瀬海浜公園(潮見町40)で5年ぶりに行われた。
1951(昭和26)年に開校した同小学校。徒歩5分ほどの場所に船橋漁港があることから、学校内に漁船や大漁旗を展示したり、海上安全を祈る地域の祭りへの参加機会を設けたりするなど、漁師町ならではの体験も大切にしている。現在の児童数は約500人。
全校潮干狩りは、児童たちに地域の自然に親しんでもらいたいと毎年行われてきたが、コロナ禍の影響で4年間中止を余儀なくされていた。いつから始まったか正確には分からないが、小林美佳子校長によると「少なくとも1997(平成9)年には行われていた」という。「卒業時に『6年間で一番印象に残っていることは』と聞くと、潮干狩りをあげる子も多い。それほど印象強いイベントを復活させたいと、約1年前から準備をしてきた」とも。
この日は薄曇りで最高気温25度という過ごしやすい気候の中、長靴姿の児童たちは船橋市漁業協同組合が提供した熊手とアサリを入れる網を受け取り、思い思いの場所でアサリ掘りを楽しんだ。在校生の中で唯一全校潮干狩りの経験を持つ6年生は1年生とグループを組み、アサリの掘り方を教えながら一緒に楽しんだ。児童たちを見守りながら熊手で砂を掘る保護者の姿も見られた。
アサリを掘る子どもたちからは「たくさんアサリが取れて楽しい」「ハマグリや小さなカニも見つけた」「水の中にいるかと思っていたが、水のない砂のところで意外とアサリが多く見つかった」などの感想が聞かれ、持ち帰るときには「家の人の反応が楽しみ」「みそ汁にして食べたい」と話す姿も見られた。
「バスでちょっと行けば、こんなに自然を身近に感じられる場所があるのは本当にありがたい」と話す小林校長。「船橋市漁協組合から全校児童分の熊手をお借りしたり、ラッシュ時間後の京成バスを貸し切り利用させてもらったりした。前回を経験した先生が残っていなかったので、イベント復活には地域の皆さんの支えが欠かせなかった」と振り返る。