NO.89　外房地域でのサーキュラーエコノミー実現の為に！高校生による「茂原七夕まつり70thゴミ減プロジェクト」　茂原市

2024/7/8


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はじめに、サーキュラーエコノミー（循環経済）とは、製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全、維持し、廃棄物の発生を最小限化する経済を意味しています。
今回ご紹介する「茂原七夕まつり70thゴミ減プロジェクト」は昨年からスタートした「茂高街塾」の中で発見した「七夕まつりのごみ問題」を題材に、外房地域でのサーキュラーエコノミー実現に向け、その第一歩を踏み出そうとする取り組みです。

＊茂高街塾
千葉県立茂原高等学校にて2023年より始まった事業。総合的な探究の時間の中で、「人づくり」と「地域づくり」を目的に、3年間で地域に貢献できる人材の育成を目指す。1年時は「街の魅力や課題を発見」をテーマに、街の職業人との座談会や夏休みのインターンシップやボランティア活動を経て、動画作成コンテストに挑戦した。

アクション①リユース先割れスプーン

「茂原七夕まつり70thゴミ減プロジェクト」では、4つのアクションとして①「リユース先割れスプーンの開発・製造・販売」②「お洒落なゴミ箱つくりと設置」③「リユースカップの利用促進」➃「ゴミの分別、洗浄、回収ステーションの設置と運営」を計画しています。
6月26日（水）、市内にある昌和プラスチック工業株式会社にて、ペットボトルキャップリサイクル原料による「リユース先割れスプーン」の試作を行うと聞き、見学に伺いました。
茂原高校2学年の生徒13名の他、外房地域で活動する「房総サーキュラーエコノミー推進協議会」メンバー、茂原市役所職員、地元企業等が参加。プロトタイプについて説明を受けた後、高校生自身の手で試作が行われました。

リサイクル原料となるペットボトルキャップは、茂原市役所や茂原ショッピングプラザアスモの協力の元、6000個以上を収集。粉砕機で粉砕されたペットボトルキャップを、自分たちが欲しい色をイメージして配合し、濃い青や水色、ゴールドなどの試作品を完成させていました。

七夕をコンセプトに高校生がデザイン

今回の「リユース先割れスプーン」のデザインは、茂原高校2学年を対象とした公募により決定したもの。コンセプトは七夕。織姫と彦星がセットになっていて、中央のメダル状の部分は、切り離してキーホルダーとして使うことができるのだとか。七夕まつりの記念として残る、とても良いアイディアですよね。

リユース先割れスプーンの使い心地は？

工場での試作の後、出来上がった試作品を用いて、たこ焼きや唐揚げ、アイスなどを試食。試作品の強度や使い心地などの確認作業がありました。昌和プラスチック工業株式会社代表取締役の内川毅さんのお話によると、通常のスプーンに比べ、ペットボトルキャップをリサイクル原料とした今回のスプーンは、やわらかいのだそう。先割れ部分の硬さを出す為、丸みを持たせるなどの工夫が施されており、食品に刺してみる等して確認をしていました。

今後の流れ

生徒たちからは「白いスプーンに印字部分が入るとゴミに見えるので白ではない方が良い」「ラメのあるスプーンがレア感があって良い」「キーホルダーのバリが少し気になる」「上の方を持つと折れそう」
等、沢山の意見が出ていました。また地元企業の参加者からも、白いスプーンの問題点について「リサイクル品なのだから、そういったこともおこりうる。コンセプトをしっかりと打ち出し、再生紙や再生水のように、色味等が通常と異なることを、きちんと伝えれば、消費者にもうけいれられるのではないか」との提案があり、完成に向けて活発な意見交換の場となっていました。
次回の打ち合わせでは、これらの問題点をクリアにして、七夕まつりでの販売に向け、商品コンセプトや販売価格などもかためていくとの事です。

今回取材してみて、高校生たちがこんなにも地域の課題に向き合い、課題解決の為に真剣に取り組んでいることに、感銘を受けました。私たち大人も高校生に負けないようにしたいと、心から思いました。はじめに記した「茂高街塾」の「地域に貢献できる人材の育成」という目的が、しっかりと形となっている事。「茂高街塾」を応援する一企業として嬉しく誇りに思います。
是非とも高校生たちが手掛ける「茂原七夕まつり70thゴミ減プロジェクト」に、ご理解とご協力を、よろしくお願いいたします。
取材・ライター　川﨑佐知子
＊掲載内容は取材日時点のものです。
（取材日2024.6.26）

DATA
千葉県立茂原高等学校
令和5年度キャリア教育優良学校文部科学大臣表彰
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昌和プラスチック工業株式会社
住所　千葉県茂原市中の島946
TEL　0475(25)0123
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茂原七夕まつり
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