船橋大神宮の襖絵が82年ぶりに新調、船橋在住の日本画家・綿引はるなさんが描く

船橋

2025/4/1


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4/1（火）船橋大神宮の襖絵が82年ぶりに新調

船橋在住の日本画家・綿引はるなさんが描く

　船橋大神宮として知られる意富比神社（船橋市宮本5-2-1）の社務所の襖が82年ぶりに新調され、3月25日に報道関係者向けに公開された。

　襖絵を手掛けたのは、船橋市在住の日本画家・綿引はるなさん。芝山中学校出身の綿引さんは、東京芸術大学日本画専攻を卒業後、大学院を経て日本画家として独立。伝統的な技法を駆使し、花や鳥など身近な自然をモチーフに作品を制作している。安宅賞や万葉日本画大賞受賞など多数受賞し、東武百貨店船橋店で何度も個展を開催している。

　今回の襖絵の制作は、社務所の大規模改修工事の一環として行われた。同神社の宮司・千葉敏さんは、「新しい襖絵は、船橋にゆかりのある人物に手掛けてもらいたかった」とし、以前から綿引さんの個展に行って作品を見る機会が何度もあり、依頼することを決めたという。

　8畳の和室の4枚の襖に描かれた新たな襖絵「桜花小禽図（おうかしょうきんず）」は、春の華やかさと夏の訪れを感じさせる情景を色鮮やかに描いている。「当初は春夏秋冬の四季を描く構想もあったが、大神宮といえば桜の印象が強いことから、春に焦点を当てることにした」と話す。また、「桜といえば海老川も名所なので、海老川やよく目にする身近な小鳥のスズメやカワセミ、ルリビタキ、メジロも描いた」とも。

　襖絵の制作にあたり、綿引さんにとって初めての試みとなる杉板への描画となった。下処理には2～3カ月を要し、絵具は古くから使われている天然絵具にこだわったという。さらに、平安時代の仏画模写や修復技法の知識を生かし、剥落を防ぐ処理も施した。構図は風が流れるようなイメージで、初夏の雰囲気を感じさせる朝顔も描かれている。綿引さんは「子どもの七五三でもお世話になった大神宮の襖絵を手掛けることができ、非常に光栄」と喜びを話した。

　新社務所への移転は4月7日。襖絵が設置される場所は、10月20日の例祭における献幣使の控室のほか、職員の書道や雅楽の稽古場としても利用される予定。