船橋大神宮近くで昭和44年から営業を続ける「正直不動産」、同名の漫画・ドラマの影響で写真撮影に訪れる人も

  2022/11/15
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以下は 2 年前に書かれた内容です

11/15(火)船橋で昭和44年から営業を続ける「正直不動産」

同名の漫画・ドラマの影響で写真撮影に訪れる人も

 船橋大神宮近くで昭和44年から営業を続けている不動産事業者「正直不動産」(船橋市宮本1-22-10、TEL047-422-3343)が、同名の漫画やドラマ放映の影響を受けてどれほどの話題を呼んでいるか話をうかがってみた。

 正直不動産は、「板橋洋装店」として創業。経済成長の機運を感じ取った先代が1969(昭和44)年に不動産業へ転身、同時に「正直不動産」へと社名を変更。現社長の板橋良夫さんは不動産業としては2代目。戦後の復興期から高度経済成長期に至る過渡期、法整備などが不十分だった「不動産業」に苦い想い出を持った先代は「正直な不動産会社になろう」と社名に誓った。

 2017年頃から小学館の青年漫画「ビックコミック」で連載が始まった「正直不動産」は、「せんみつや」(千の言葉の中に真実が三つ)と評されるほど裏表があるといわれる不動産業界で、嘘をついて営業することができなくなってしまった主人公・長瀬財地が正直営業だけで不動産業界を渡り歩くストーリー。「不動産業界の裏側と本音を知ることができる」として人気を呼びNHKの連続ドラマでも映像化。船橋市出身の俳優・山下智久さんを主役に起用して2022年4月から放送が始まった。

 漫画の連載が始まった当初から毎回楽しみに読んでいたという良夫さん。「最初は、業界の人たちが隠したいところを漫画にされているので驚きましたが、『弊社も長瀬のように隠したいところを隠さないで正直に営業していきたい』と、毎回楽しみに読んでいます」と、全巻揃ったコミックを自慢気に見せる。

 漫画やドラマは特に同社の事業にとって大きな影響が無いようだが、週に数回程度同社の看板を写真に撮って足早に去っていく若い女性たちの来訪が増えたという。

 同社は、1992(平成4)年頃から戸建売買に事業をシフトしたが大手の参入によって1997(平成9)年頃からは賃貸管理中心の業態に移行。「お客さんの物件を預かって管理すると大家さんの理解によっては満足のいく修繕ができない場合がある。中古物件を自社で購入し、納得のいく修繕をして貸し出したかった」と振り返る。「お客さんが不便な思いをして暮らしていると思うと居ても立ってもいられない。結果として大規模修繕になることもあるけど正直な仕事するのが一番気持ちが良いです」とも。

 同社の抱える自社物件はいずれも「正直」を意味する「Honesty」のブランドで展開。現在は、船橋市内中心に千葉県北西部に居住用をメインに300室を抱える規模(管理飲みの物件も含む)まで広がっている。

 同社で長く働く女性スタッフたちも、「社長は正直過ぎて私たちが止めないと損得抜きで入居者様の為に動いてしまう事も。困った時に直ぐに相談に乗ってくれるから退居も少ないのです」と話す。

 取材の間にもひっきりなしに人の出入りがある同社のオフィス。家賃の支払いに訪れる入居者からの急な依頼で工事打合わせにやってくる職人。中には過去に勤めていた会社で取引のあった仕事仲間がふらっと来店する事も。それらの来訪者全てに良夫さんは丁寧に接する。

 「僕は良い人の振りをしているだけ…職人さん、商店会の電気屋さんなど周りの皆さんが良くしてくれている。トイレの配管やエアコンの調子悪いと連絡が入ればすぐに駆けつけて対応してくれる。大手量販店よりも地域の電気屋さんや設備屋さんを頼る事にしている。私たちのような街の不動産事業者にとっては地域の繋がりが何よりも大切なんです」と板橋さん。「正直な仕事をして地域社会に貢献し、しっかり稼ぐことも大切。生活がギリギリだとなかなか優しくなれない。体力があるからこそ人に優しくしてあげられる余裕ができる」とも。

 正直に営業したいと先代が創業した不動産事業。2代目社長の良夫さんの代になっても初心は引き継がれているようだ。船橋の正直不動産には、地域との繋がりや人の縁で作品以上の「正直営業」ができる仕組みが整っていた。

以上は 2 年前に書かれた内容です
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