船橋市場内「新生水産」が「複合型そうざい製造業」の資格取得、生食用マグロとメカブなどが1つになったチルド惣菜品を開発

  2023/8/15
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8/15(火)船橋市場内「新生水産」が「複合型そうざい製造業」の資格を取得

生食用マグロとメカブなどが1つになったチルド惣菜品を開発

 船橋市場内で水産物の販売・製造・輸入を行う「新生(しんせい)水産」(船橋市市場1-8-1 TEL047-409-2937)が今年5月に仲卸棟内で唯一の「複合型そうざい製造業」を取得し、同社が商品開発・製造するマグロのたたき、メカブ、オクラなどが1つのパッケージに入った丼用チルド惣菜品を7月末から関東圏の大手スーパーで販売している。

 同社は生食用マグロのネギトロなどへの加工を得意とする企業。船橋市場内に高い衛生管理基準を満たした証である「JFS-B規格認証」を取得した生食用マグロ加工場を持っているが、今年3月、船橋市場の水産仲卸棟内に第2工場を竣工した。

 第2工場は、水気のある1階は下処理場とし、2階を水を使用しないドライ室に仕立て、1・2階をエレベーターを結ぶことで高い衛生管理体制を実現した。5月には、船橋市では今年度第1号となる「複合型そうざい製造業」の許可を取得。これにより、水産加工品とカット野菜などを1つの容器に入れた「惣菜」を販売できることとなった。

 品質管理のエキスパートでもあり、2年半前から同社社員となった佐藤史教さんは「水産加工の業者がこの許可を取得するのは珍しい」と話す。

 新商品は丼ごはんの上に載せて食すことをイメージした商品で、商品パッケージにはマグロのたたき、メカブ、オクラ、たくあんなどが1つになったチルド惣菜品。「スーパーでサラダの販売コーナーを見ていて、やはり1つにまとまって手軽になっていることが消費者にとって便利だと感じた。これまでの発想を変え、私たちがそうざいの製造許可を取ることでネギトロはネギトロだけでパッケージするのではなく、マグロのとなりにメカブなどを入れて一緒に販売したかった」と同社社長の澤浩二さん。

 同製品に使用するメカブなどは市場内で塩干品なども扱う「船橋魚市」から仕入れている。「得意分野が違う市場内の仲間の力も生かしています。さらに船橋市場の強みは首都圏に近く空港にも近いこと。各大手量販店の物流拠点も船橋南部に集まっている。このメリットを生かさない手はない。物流の2024問題もありますが、こうした立地を生かすことも問題解決につながるのでは」とも澤社長は話す。

 同社では調理師免許を持ち、和食店での勤務経験もある中田優多さんを第2工場の工場長に迎え、今後もさらに新しい商品を開発していくという。「販路拡大に挑みます」と営業部長・石田正人さんも意気込む。

  • 同社で製作した新商品の案内チラシ。同製品は全国展開している大手スーパーの首都圏店舗で販売中

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