八街駅前で「すゞらん通りってドコ?軒先マルシェ」、毎月最終日曜日に定期開催。
郊外に大型店の出店が相次ぐ八街市。次第に駅前の商店街がシャッター通りとなっていく様を「食い止められないか」と地域の経営者や若者が立ち上がり「すゞらん通りってドコ?軒先まるしぇ」を立ち上げた。
商店街の軒先を使ったマルシェは、毎月最終日曜日に定期開催。11月の最終日曜日となった28日、11時~16時に実施された。
「この商店街は私が越してきた20年くらい前はそこそこ賑わっていたんだけどねぇ…ここ10年くらい店舗が抜けたとに新しいお店が入らなくなってしまって…駅から近いから便利なんだけどね」とマルシェ参加者の近隣住民。
この商店街に「活気を取り戻そう!」と立ち上がったのが八街出身の青年経営者たちで組織されている「NPO法人やちほこり」。商店主らとともに、「すゞらん通り実行委員会」を立ち上げ、マルシェの運営に携わるようになった。
実行委員長として旗振り役を買って出たのは豊田和輝さん。
現在は山武市に住んでいるという豊田さんは、若い頃から八街の街に慣れ親しんできた。もちろん、八街に住んでいる友人も多い。経営者になってからは八街の街づくりに関わるようになり、当然のように「NPO法人やちほこり」に加わり、街の活性化に協力するようになっていったという。
八街でのマルシェ運営は、コロナ禍にテイクアウト専門のドライブスルーマルシェとして立ち上がった。
以前に記事を書いたので詳細はそちらでご覧ください。
ドライブスルーマルシェとして運営を開始した当時は実行委員会メンバーも手探り。事前に注文を受けて、趣旨に賛同した各店に発注。各店からの商品配送なども実行委員会で行い、売上を各店に届ける形で運営していたという。
会場は、八街市内で今一番変化している小谷流地区。
玄関マットやオフィスコーヒーのリース事業で有名なユニマットが開発しているエリアで「小谷流の里ドギーズアイランド」「千葉バーディークラブ」「小谷流温泉森の湯」にドッグカフェやセレクトショップなどが併設されている総合リゾート施設の駐車場。
今回は、会場を八街駅前の商店会の軒先に設定し、各店の店主が売れ筋商品を見極め持ち寄った。今回エントリーしていたのは21店舗。出店の顔触れは多種多様。タイ料理屋、韓国家庭料理店、フィリピン料理店、中華料理店、台湾料理店…と「八街市内だけでこんなにアジアの料理を楽しめる店があるのか!」と驚くほど多国籍の味を楽しめる。
もちろん、昔ながらの洋食屋さん、焼き鳥屋さん、お肉屋さん、パン屋さんなども参加。
街づくりに関わる各種団体も参加しているので、八街市内のチームワークの良さを感じられる。
何より楽しいのが、地域のおばちゃんとの掛け合い。
何気ない会話だけど、
「おばちゃん、このカツサンドうまいの??」
「うちが昔っからこの味を看板で出していて、イベントの時はいつもこれよ」
「なんで、いこいサンドなの?」
「うちの店の店名よ」
「えっ、サンエトワールって書いてあるけど…」
「あー、ヤマザキパンのブランドで昔、ヴィドフランスとかサンエトワールとかってお店の名前つけて営業していたのよ。色んな街にあるでしょ?」
「なるほど…」
といった具合。街の人とのちょっとした掛け合いを楽しみながら買い物を楽しむ。これぞ商店会ならではの楽しみ方。スーパーに行って必要なものを手早く買って帰るのも良いのだけど、「人に会いに商店街に行く」というのは生き物としての根源的な楽しさがあるように感じられます。
出店者同士の会話も弾みます。これまで、それぞれの店主同士は知り合いでもスタッフ同士は知り合いではない場合があります。この機会に、近所の店主とスタッフ、スタッフ同士も知り合いになると店に足を運ぶきっかけが生まれるのです。
こうした、「地域のイベントに参加する」という行動は売上だけを目標にするのではなく「コミュニティ」を築いていく事で「連携」が取りやすくなり、「関係性の強化」にもつながります。
それが先々の売上につながったり、店の常連客の乗り合いにつながり最終的には地域全体が活気を持ちはじめるきっかけになります。
今後も、毎月最終日曜日に実施するという事なので、この先マルシェの認知度が増していって、少しずつでも出店者が増えてきたり、来場者が増えてきたりするのがとっても楽しみですね。
すゞらん通り軒先まるしぇの会場については以下のリンク先に地図を載せておきますね。