三番瀬漁場で市内在住の小・中学生がスズキ漁見学、地場の豊かな海洋水産資源を学ぶ機会に
1/15(月)三番瀬漁場で市内在住の小・中学生がスズキ漁見学
市内学校給食では地場食材として「ボラ」を使った給食も
三番瀬漁場で1月13日、市内在住の小・中学生を対象とした「船橋の漁場見学」が開催され、事前応募し抽選で当選した約40人の親子が参加した。
同イベントは一般社団法人はしわたし研究所(東京都中央区)が企画し、船橋市農水産課、船橋市教育委員会の協力のもと実施された。
漁の様子を知り、東京湾の自然を体感することで船橋の風土地形を考えることを目的とすると同時に、同研究所では地場産物を活用した給食を提供するための食材提供、食育のための情報発信も行っている。
同研究所の理事・海老原誠治さんは、給食食器メーカー「三信化工」(東京都港区)学校食文化担当チーフであり、一般社団法人和食文化国民会議の普及・啓発部会幹事であることなどから、以前から船橋市の栄養教諭ともつながりがあったという。「船橋市の栄養教諭は優秀な方が多い。学校給食でも非常にいい取り組みをされているので、今回、給食での食材提供の話を持ちかけた」と経緯を話す。
漁業体験では、船橋市農水産課、船橋市漁業協同組合(以下、漁協)が協力。参加者は漁協が所持する作業船「あさかぜ」に乗船し、三番瀬沖の漁場で漁師の山本さん夫妻や、吉種さん親子が操業する漁船のスズキ漁を見学。底引き網の様子を見学した。
目の前で獲れたスズキはその場で参加者たちの乗る作業船に手渡され、甲板にスズキが置かれると、子どもたちが珍しそうに眺めたり触ったりする姿が見られた。中には体長約80センチのスズキを抱え上げる子どももいた。
帰路では海苔の養殖場を見学。海苔漁師で今年1月から漁業組合長となった中村さんが挨拶に訪れ、参加者は海苔漁に使用する高速摘採船の説明を聞き、摘採船を間近で見学することもできた。
農水産課の水産技師・梅田新也さんは「船橋の海で漁ができること、魚が獲れることを知ってもらい、地元のおいしい水産物を食べて欲しい」と話し、一緒に乗船した船橋市教育委員会の栄養教諭・口野(くちの)佳奈さんは「このイベントに参加することで、船橋のスズキを選んでもらえるきっかけになれば」と話した。
船上で熱心にスズキの観察をしていた鳥塚大輔くん(7)は「スズキは重たくてプニプニしていた。触れてうれしかった」と話し、父親の洋輔さんは「普段は入れないところでこのような体験ができるのは学びになる。またイベントがあれば応募して参加したい」と話した。
また、市内の学校給食では12月と1月に「地域食材活用給食」として、はしわたし研究所から提供された2万切れ分の「ボラ」を希望のあった学校に対して学校給食用として提供した。提供前には栄養教諭らが一堂に集まって、ボラを調理する研修会も行ったという。
漁業体験中、はしわたし研究所の海老原さんと代表理事の松橋淳一さんは動画用の撮影も行い、撮影した動画は今後YouTubeで公開予定だという。「動画発信することで、食育につなげたい」と海老原さん。他県でもこうした活動を続ける海老原さんは「船橋は大きな都市でありながら、三番瀬のような漁場がすぐそばにあるだけでなく、田や畑なども近くにあるのが魅力だと思う」とも続けた。