船橋市郷土資料館に船橋ゆかりの人形師・原米洲作のひな人形展示、本町で営業していた「川守商店」の川守家から寄贈
2/16(水)船橋市郷土資料館に船橋ゆかりの人形師・原米洲作のひな人形展示
本町で営業していた「川守商店」の川守家から寄贈
船橋市郷土資料館(船橋市薬円台4-25-19、TEL047-465-9680)で2月3日から、船橋ゆかりの人形師・原米洲(はらべいしゅう)氏が製作したひな人形が展示されている。
原米洲氏は1934年に上皇陛下の初節句に人形を献上した人形師。栃木県宇都宮市生まれの原米洲氏は、18歳で上京。伝統的な人形製作の技法を学なかで、「胡粉仕上げ」をどんなときでも美しく仕上げることができる技法を確立した。胡粉(ごふん)とは、カキの殻を粉にしたもので、粒子の荒い胡粉を沈殿させ、上澄みだけを塗り重ねて仕上げるが、温度や湿度によってはひびが入りやすい技法でもある。
1966(昭和 )年にはその技法が無形文化財に指定され、原米洲氏は黄綬褒章を授与している。現在は「五色」として東京・浅草橋に本店を構え、三代目・原裕子さんが伝統を継いでいるが、約45年前には、原米洲が船橋・宮本で人形製作をしていたこともあるのだという。
今回、初めて資料館に展示されたのは、「胡粉仕上げ」が施された七段飾りのひな人形。これは昨年3月31日、惜しまれつつも約140年の歴史に幕を下ろした「川守商店」を営んできた川守家から寄贈されたもの。
郷土資料館で同企画を担当する学芸員の玄蕃(げんば)充子さんは「川守商店さんが閉店される際、昔から使われていた砂糖を量る器具など、さまざまなものを寄贈いただきました。その中にこちらのひな人形もあり、原米洲氏は船橋ゆかりの人形師であることから、今回、寄贈いただきました。原米洲氏の人形は、このふっくらとしたお顔が特徴です。状態も非常な綺麗な状態で保存されていたので驚きました」と話す。
「親子で展示を楽しんで行かれる方もいらっしゃいます。期間中には、隣りに展示している『掛け雛』の展示が別の『掛け雛』に展示替えする予定です。展示や装飾で季節感を出すことも心がけていますので、ぜひ、春の訪れを感じにいらしてください」と玄蕃さんは呼び掛ける。
同展示は3月13日まで。月曜休館。