中高生ロボットチームが千葉工業大学で競技会用ロボット完成披露会、ロボコン世界一を目指す「SAKURA Tempesta」
3/18(金)中高生ロボットチームが千葉工業大学で競技会用ロボット完成披露会
ロボコン世界一を目指す「SAKURA Tempesta」
千葉工業大学(習志野市津田沼2-17-1)校内で中高生ロボットチーム「SAKURA Tempesta(サクラテンペスタ)」(千葉市若葉区)による競技会用ロボットの完成披露会が、3月15日に開催された。
「サクラテンペスタ」は2017年に発足されたロボットチームで、中高生が中心となって千葉工業大学を拠点として活動する。大学生以上はメンターとしてチームに関わり、世界最大級の国際ロボット競技会「FRC(=FIRST ROBOTICS COMPETITION)」に出場し、世界一を目指すロボコンチームである。過去に「FRC」で2019年、2020年と連続で地区大会の最高名誉である「Chairman’s Award」を獲得するなど、業界においても注目を集めている。
同チームは直接活動をする中高生と、それを支え助言し相談を受け止めるメンターとで構成されているが、メンバーの自発的な発案や討議を優先するため、メンターから指示や命令が出ることはないという。
今年も同大会の出場を予定する同チームは、3月31日から米国・ハワイで行われる予選大会に出場する。チームはそれまでに、ロボットの設計、部品調達・組み立て、プログラミング、操作練習など多忙を極めるという。「ハワイの予選を通過して、今年も世界大会に出場したい」とチームメンバー。
完成した今年の競技会用ロボットのテーマは、バスケット用のボール投げ入れロボット。その主要部が完成したため、披露の場が設けられた。ロボットは、ボールを集めて収納し、高速でシュート動作を行った。
リーダーの立崎乃衣さん(高2)は設立メンバーの一人で全体のまとめからメカ開発まで幅広く担当している。大会のテーマとルールが毎年1月上旬に英語で発表され、その翻訳を急ぐことから作業が始まるという。
プログラム制作の中心の一人で最年少の羽吉大輝さん(中1)は2021年4月からチームに参加。「この団体で多くの人と協力してロボットを動かすのが楽しい」とコメントした。宗石凱真(よしまさ)さんは会計と広報、イベントの進行司会など幅広く活躍し、同日もヘルメット姿でマシーンの操作デモを主導した。
メンターとして支援指導している、未来ロボット研究センター国際連携主幹・富山健さん、と「D&Pメディア」代表・小粥将直さんは、「若者の自主性を大切にして粘り強く支援を続けている。手を出したい気持ちが先立つこともあったが、最近では悩みながら問題を解決し前進していく姿が頼もしく映る。苦労の中で、社会人として素晴らしい財産を蓄えていることを感じる」と口をそろえた。
予選までの限られた時間の中、チームメンバーは製作活動以外にも、大会に出るための交通費などにかかる資金集めや道具の調達、製作場所の確保まで、全てをチームメンバーで行っていく。