三山に視覚障がい者グループホーム「イーハトーブ」開設、入居者の自立を支援
10/18(月)三山に視覚障がい者グループホーム「イーハトーブ」開設
入居者の自立を支援
視覚障がい者を中心に、訪問介護、障がい者総合支援事業、研修事業を行う「あじさい」(習志野市東習志野5-33-12、TEL 047-409-6617)が10月1日、緑豊かな閑静な住宅街に、主に視覚障がい者を受け入れるグループホーム「イーハトーブ」(船橋市三山9-18-5)を開設した。
木造2階建て65坪の新築一戸建のグループホームは、男女で玄関が分かれ1階が男性、2階が女性で各5室(洋室)ある。各階にトイレ、洗面所は2カ所ずつ、浴室、キッチンは1カ所ずつ設置。
部屋が明るく見えるよう壁紙の色を1面変えるなどの工夫がされ、各居室や、共同フロアーには火災にも備え火災探知機、スプリンクラーが設置されている。視覚障がい者はラジオ、スマートスピーカー、パソコン、テレビなどコンセントを使う数が多く、各居屋のコンセントの数も6個〜8個と多めに設置している。Wi-Fi、冷暖房完備、盲導犬も入居可能、24時間365日世話人が常駐する。現在20代〜60代の入居希望者が見学に訪れるという。
代表取締役の澤賴康子さんは「視覚障がい者は簡単に家を借りられない。ここでは、自立をサポートします。料理や掃除も一緒に行い、居室だけでなくホームの共同部分の掃除も入居者が順番に行います」と話す。
グループホーム名の「イーハトーブ」は宮沢賢治の童話作品「銀河鉄道の夜」の中に出てくる造語で「心象世界中にある理想郷」を指す。「こだわりはあえて普通の家のように作っているところ。点字が必要なら自身で付けたらよいし、ベットか布団で寝るかなどは入居者自身の理想の暮らしに合わせたらよいと思っています。それぞれの『理想郷』を作ってもらえたら」と笑顔で話す。
玄関から道路まで点字ブロックを敷設し、玄関には入り口を知らせる盲導鈴が付き、入居者が帰宅時わかりやすい工夫がされる。実際に見学にきた視覚障がい者からは「使いやすい。2階が明るくて良い」などの声が聞かれるという。
「入居者には規律を守ってもらい、快適に過ごしてもらいたい。掃除をしないとホコリがたまりコンセントから火災が発生することなども伝え、自分のことは自分でできるようにしていきます」と笑顔で話す澤賴さんは、「今後は近隣の住人との交流や、ご家族との交流もしていきながら、安心して暮らせる場所にできたらと思っていますので、気軽に見学にきてください。足りないところは言っていただき、一緒に作り上げましょう」とも。
希望者は「あじさい」まで問い合わせすることで見学もできる。