音楽系部活出身者が中心となる新オーケストラ「ポートソレイユオーケストラ」、第一回定期演奏会は場内満席に
2/14(火)部活出身者が中心となる新オーケストラ「ポートソレイユオーケストラ」
第一回定期演奏会は場内満席に
市民文化ホール(船橋市本町2-5-5)で2月11日、昨年立ち上がった市民オーケストラ「ポートソレイユオーケストラ」の第一回定期演奏会が、場内満席で開催された。
同楽団は、船橋市を中心とした音楽系部活動出身者で構成されるオーケストラ。参加者は10代~30代で、20代が中心となる。かつての部活仲間に口コミでどんどん広まり「クルー」(団員)が集まったという。
昨年9月に結団式を開催し、初回定期演奏会に参加したクルーは約60人。現在は母になっている人もいれば、音楽活動をしている人、学校教諭や介護職員などさまざまな仕事をしている人たちが集まり、ひさしぶりに楽器に触れた人も多いという。
同楽団の立ち上げに際し、中心となって動いたのは船橋出身のヴィオラ奏者・照沼響(てるぬまひびき)さん。照沼さんは御滝中学校管弦楽部でヴィオラに出会い、千葉県立千葉女子高校ではオーケストラ部に所属。卒業後は武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科へ。武蔵野音楽大学管弦楽団のヴィオラ主席を務めた。現在は多数のオーケストラでの演奏活動の傍ら、小中学校、高等学校の管弦楽部指導や音楽教室の講師などをしている。
昨今の活動の中で照沼さんは「船橋市内の音楽系部活動は全国大会出場校など、全国レベルで活躍する部活動も多数存在する。そのような部活でレベルの高い演奏をしていても、大人になっても楽器や音楽を続けられる環境はほとんどない。みんなが演奏したいと思ったときに、帰って来て演奏できる場所を作りたい、老若男女関係なく音楽ができる場所を作りたい」と立ち上げに至った。
楽団長は七林中の部活出身で武蔵野音大大学院を修了、現在はプロ・アマ問わずオーケストラで活動しているコントラバス奏者・本田直也さん。名誉楽団長兼指揮は、全日本高等学校オーケストラ連盟元理事長、同連盟理事長補佐、参与として全国の高校オーケストラの指導にもあたっている山岡健さんが務めた。
9月の結団式のあとは、クラウドファウンディングを開始し最終的には75万6千円が集まった。これは楽器購入費などの運営資金に充てられた。その後はクリスマス会なども行いながらクルー同士の交流も深めていき、登録メンバーは現在90人を超えているという。
演奏会で演奏した曲は、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第一幕への前奏曲、クーセヴィツキー「コントラバス協奏曲作品3 嬰ヘ短調 Op.3」、チャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 Op.64」。アンコールでは「ラデッキー行進曲」を演奏し、観客の手拍子とともに一体となり、幕を閉じた。