金堀町の米農家が子ども向け稲刈り体験提供、3団体に農家の米作りを指導
10/29(日)金堀町の米農家が子ども向け稲刈り体験提供
3団体に農家の米作りを指導
市内の米農家・鈴果園(船橋市金堀町)が10月21~24日にかけ、「千葉ジェッツふなばし」の社会貢献活動、農業体験イベント「ベジとるとる」、豊富小学校の3団体に対して稲刈り体験を実施した。
24日は豊富小学校 (船橋市豊富町1)の5年生20人に同園の田んぼで稲刈り体験授業を行った。同園の園主・鈴木明道(あきみち)さんは児童に鎌の持ち方から指導し、稲穂を刈り、コンバインに入れて脱穀したり、わらをトラックに積むなど農家の作業体験を提供した。また機械で乾燥させることや、米の選別、もみすりをする作業についても明道さんら家族が説明し、児童たちは写真を撮ったりメモをしていた。
豊富小学校では、5年生は米の栽培の体験を、授業の割り振りの中でいう「総合」の時間で行っている。5年生は米農家の田んぼ1枚(約300坪)を借りて6月に田植えも体験している。一連の米作りの現場での体験は「米博士になろう!」を目標に進められた。明道さんは児童からの「お米を機械で乾燥するのと天日干しにするのではどう違いますか?」といった質問にも丁寧に答えていた。
同園では豊富小学校と同様に田んぼを1枚ずつ「千葉ジェッツふなばし」と梨農家「芳蔵園」(二和東2-7-7)が子ども向けに農業体験を企画・運営する「ベジとるとる」にそれぞれ米作り体験の場として提供。
「千葉ジェッツふなばし」は23日に荒尾岳選手の社会貢献活動として、今回はフリースクールに通う子どもたちに向け、子どもたちを稲刈りに招待。「ベジとるとる」は有料イベントとして親子で参加できる農業体験の場を提供し、21日と22日の2日間、参加者は稲刈りなど体験をした。
ジェッツ・荒尾選手は「6月に自分たちで植えたお米を収穫できてうれしい。子どもたちが農業に触れてもらえるきっかけになれば」と話した。「べじとるとる」は新米と古米の食べ比べや田んぼでおにぎりを食べるなど農家ならではの独自の体験も企画に盛り込み、「米作りは私たちにとっても初体験でとても勉強になった」と芳蔵園の加納智恵さんは振り返る。
豊富小学校の教頭・永富善浩さんは「子どもたちに貴重な体験をさせていただきありがたい」と話した。
「鈴果園」では現在、明道さんは梨を中心に、父の正さんが米を中心に担当し、家族で栽培。300年以上前から代々この地で農家を営んできたという。明道さんは豊富小学校の卒業生で、現在はPTA会長を務め、積極的に同校の活動に協力している。同校の3年生には梨の栽培の現場を案内し、季節ごとの作業を梨園で説明するなど実際の農業の現場に触れる機会を提供している。
鈴木さんは「生産者と消費者の距離が大変遠くに感じられていた。自分たちが作っているものが本当に消費者に求められているのか悩んでいた」と話した。3つの団体に稲作体験の場を提供し指導を引き受けたことについて「今言えるのは『とにかくやってみた』です。いろいろな方の反応や意見を見たり聞いたりして今後の自分の生産者としての在り方を作るヒントをもらいました。さまざまなご縁でいろいろな機会をいただき楽しくやらせていただきました」と笑顔で答えた。