船橋市自閉症協会50周年を記念したコンサート、自閉症児とマンドリンアンサンブルが共演
6/30(日)船橋市自閉症協会50周年を記念したコンサート
自閉症児とマンドリンアンサンブルが共演
船橋市自閉症協会が設立から50周年を迎えるにあたり、6月23日、50周年を記念した「ハーモニーコンサート」が高根台公民館(船橋市高根台1-2-5)の講堂で開催された。
船橋市自閉症協会は1974年6月28日に設立。当時、「市内に特殊学級(現在の特別支援学級)を作ってください」と市内の自閉症児の親が声を上げたことが同会の始まりという。当時の会員は16人、現在の会員数は45人となる。船橋市や近郊に暮らす自閉症児・者の保護者とサポーターが会員となり、「かもめ会」として活動をしている。
会長・高尾英彦さんは「設立された当時は、障がい児には就学猶予あるいは免除となっていたため、教育を受ける権利が事実上与えられていなかった。そこで教育環境整備など、さまざまな課題解決を目指した活動を続けてきた」と話す。
コンサートには、自閉症児・者やその家族、関係者など、約80人が参加した。会のはじめに、まず子どもたちが参加できるゲームを取り入れ、その後、開会の挨拶などが続いた。
協会の余暇活動として音楽サークルがあることもあり、サークルで活動する子どもたちがダンス、ピアニカ演奏、打楽器演奏などを披露。市内で活動する「マンドリンアンサンブルさざんか」が自閉症児・者たちの演奏に合わせて一緒に演奏したほか、単独で演奏を届ける場面もあった。
講堂内ではホワイトボードにプログラムを掲出し、1つ終わるごとに項目が消されていった。「自閉症の方は終わりが見えていると安心する。終わりから逆算できる視覚的な手掛かりが見えるようにしている」と高尾さんは説明した。
また、子どもたちが休憩できる時間も確保し、休憩時間には就労継続支援事業施設「はみんぐばあど」(古和釜町)のクッキーが来場者にも振る舞われた。
高尾さんは「50年という長い間、親がたたかってきた。いろんな複雑な思いがこれまでにあった」と打ち明ける。
「自閉症の方は、社会の中でははみだしやすい人たち。周りの人とトラブルにならずに健やか楽しく過ごせるようにと、今後も活動していきたい」と副会長の三川さんが挨拶し、会を締めくくった。