船橋大神宮境内の自然観察MAP完成 東邦大学学生らが1年かけて調査した成果をパンフレットに
12/15(日)船橋大神宮境内の自然観察MAP完成
東邦大学学生らが1年かけて調査した成果をパンフレットに
船橋大神宮(船橋市宮本5-2-1)の豊かな自然環境把握と維持を目的とした調査を東邦大学の有志による学生チームが作成、12月7日に境内での報告会を行った。調査結果データをもとに環境省の「自然共生サイト」登録を目指す。
調査チームは東邦大学の学生が主導する「生命圏・フューチャープロジェクト」。チームを取りまとめしたのは理学研究科環境科学専攻年生の宮崎いつ歌さん。
巫女として8年間同社に勤めた経験から自然環境の豊かさ、多様な生態系について興味を持ち、大学の理学部生命圏環境科学科設置の「生命圏・フューチャープロジェクト」での研究テーマとして取り扱うことを提案したという。
大学内で働きかけ各学部から有志のチームを募集。植物、水質・水生生物、鳥類、昆虫類など各分野ごとに細かく調査し報告書にまとめ上げた。
神社内を7つのエリアに分け、事前調査を令和5(2023)年8月8日、夏季調査同8月13日、秋季調査同10月22日、春季調査令和6(2024)年3月15日で全体を。
樹木は全体で115種。園芸種44種、外来種26種が観測されたという。特に全域に見られるクロマツは神社のすぐ近くまで海岸線があったことの名残として長い年月をかけて自生したのではないかと推測した。
草本は在来種86種、外来種49種の合計135種。本殿付近には多孔質の岩がありコバノキノヒシダ、マメヅダ、トラノオシダなどのシダ植物に加え千葉県RDB(レッドデータブックリスト)Dランク指定を受けているアマナの観察もされた。エリアごとに細かく植生分布などの調査結果も共有した。
同様に、鳥類、昆虫類、水質や水生生物に関しても細かく調査。昆虫類は、51科88種を確認したが大神宮で確認された6種の中には環境省や千葉県のレッドデータブックに記載されているものがあったという。
鳥類は年間を通じて16種を確認。キジバト、シジュウカラ、ヒヨドリは年間を通して大神宮に生息していることが分かりムクドリは夏のみ。コゲラ、エナガ、ツグミ、ハクセキレイは春のみの生息を確認したという。
調査結果と通して船橋大神宮は10年前の調査と比較しても発見された種数に大きな変化がみられず、都市の広がる船橋市内において生き物にとって生息しやすい環境が維持されていることが分かったと報告した。
これらの調査データをもとに観光客や来観者が同社の自然を理解できるよう手書きイラストをデータ化した境内マップを作製、境内での配布を開始した。