
金メダリスト井上康生さんが船橋アリーナで特別柔道教室、小学生約70人が防犯と柔道の「自他共栄」の精神を学ぶ
8/7(木)金メダリスト井上康生さんが船橋アリーナで特別柔道教室
小学生約65人が防犯と柔道の「自他共栄」の精神を学ぶ
船橋アリーナ(船橋市習志野台7-5-1)で8月4日、「井上康生氏 特別柔道教室」が行われた。同イベントは、ヴァンガードスミス(東京都港区)が取り組む「防犯・柔道交流プロジェクト」の一環として開催された。
主催した同社社長の田中慶太さんは、元警察官で柔道家。子どもたちに柔道の魅力と防犯につながる「自他共栄」の精神を伝えることを目的に企画した。
「弊社は近隣トラブル解決支援を行っていますが、自分のことだけでなく相手を思いやる姿勢が、問題解決を早めることも多い。柔道の『自他共栄』の精神が、地域のトラブル防止や解決にもつながると考えています」と話す。
同日は、市内の柔道道場に通う小学生約70人が参加。第1部では子ども向け防犯教室を実施し、電車内でのマナーや友人同士のトラブル時の対応方法をクイズ形式で学んだ。相手を思いやること、異なる意見を尊重すること、大人への相談の重要性などが伝えられた。
第2部は、シドニー五輪金メダリストの井上康生さんによる特別柔道教室。ウォーミングアップではリレーや瞬発力ゲーム、協力ゲームで盛り上がり、続く実技指導ではペアでの打ち込み練習を通じて、大外刈や背負投などの技術を学んだ。相手を崩すコツや丁寧に技をつくるポイントの指導もあり、子ども達の動きが向上する様子が見られた。
質問コーナーでは「柔道が強くなる秘訣」や「オリンピックで最も手強かった相手」などの質問が相次いだ。最後にはじゃんけん大会が行われ、井上さん直筆のサイン色紙やTシャツが贈られた。
市内在住の関口航平くん(9)は「井上先生はとても優しくてわかりやすかった。サインももらえてうれしい。これからも柔道を頑張りたい」と笑顔を見せた。
井上康生さんは、「柔道を学ぶことは、人生で学ぶことと大きく通ずるものがあります。勝負の世界ではあるけれど、努力すること、戦略や戦術を立てること、相手を尊重すること、友情を大切にすること、そして精神的な試練を乗り越えることなど、生きていくために必要なことがたくさんあります」と話し、子どもたちに向けて「まず柔道を楽しんでほしい。そして、柔道から学んだことを人生に生かし、目標を達成しながら成長してほしいし、この社会に役立ててほしい」とエールを送った。また「そのために私にできることをサポートしていきたいです」とも。
田中さんは「他人とのトラブルを防ぐには『自他共栄』の精神を忘れず、困ったらすぐに相談してほしい。今後は道場を防災拠点として活用し、柔道家と共に地域を見守る活動を広げていきたい」と今後の展望を話した。