船橋市「DX推進リーダー育成研修」に職員175人参加 プロセスを根本から見直し、サービスの質向上と業務効率化を目指す

  2025/9/6
シェア ポスト 送る

9/6(土)船橋市「DX推進リーダー育成研修」に職員175人参加

プロセスを根本から見直し、サービスの質向上と業務効率化を目指す

 船橋市役所本庁舎(船橋市湊町2-10-25、TEL047-436-2111)で7月29日から、市職員を対象にした「DX推進リーダー育成研修」が始まり、各部署から選抜された175人が参加。8月27日・28日にはNTT東日本が講師となった「BPR研修」が行われた。

 同研修では、単なるシステム導入にとどまらず、デジタルツールを活用して業務プロセスを根本から見直し、課題解決や新たな価値の創出を担う「DX 推進リーダー」の育成を目的としている。市によると「市内各部署から意欲ある職員175人が参加している」という。

 少子高齢化や職員数の減少が見込まれる中、多くの分野で業務量は増えている傾向にあるが、従来の業務の延長線上では人も時間も足りなくなってしまうため、昨今、さまざまな分野で業務効率化が求められている。

 同様に船橋市でも「船橋市DX推進計画」に基づきデジタル化の加速を図っているという。しかし関係者によると「部署ごとに取り組みにばらつきがあるため、庁内全体をけん引する人材の育成が急務となっていた」という。

 同研修は「NTT東日本」が船橋市と連携して実施された。同社はこれまでの業務の中でデジタルに関する一定の知識と行政実務の知識・経験を兼ね備えていることから、一般行政職員や高度専門人材と連携し、組織の中核として実務を主導できる人材を育成すべく、さまざまな分野での「DX研修」を提供しているという。企業だけでなく行政への研修も行い、県庁、県内の他エリアでも研修を実施してきた。

 研修内容は、各所属にDXの意義や成功事例を学ぶ基礎講座、業務プロセスを根本から見直すBPR(Business Process Re-engineering)研修や、業務効率化ツール「kintone(キントーン)」の実践演習、デザインツール「Canva(キャンバ)」、生成AIの活用講座など多角的なプログラムを展開。10月までに複数回の研修が行われていく。

 これにより参加者は行政実務の経験とデジタル知識を兼ね備え、組織内で課題解決を主導できる「DX推進リーダー」として育成されることを狙っている。

 BPR研修には36人が参加、女性参加者の姿もあった。BPRとは、業務を根本から見直し、理想形のように進まない部分を洗い出し、理由を突き詰めて再設計することで、業務改革を行うことを指す。

 グループワークが行われ、研修にはNTT東日本のスタッフが11人参加。取材時には「業務フローの見直し、デザイン」についての研修が行われ、「紙おむつを無料で支給するケース」を題材として、各テーブルで大きなシートに付箋を貼りながら従来の業務フローを書き出し、どこに問題があるのかも摘出。各テーブルにはファシリテーターやサポーターがつき、ワーク中、参加者に気づきを生み出すための声かけをするなど細やかに対応していた。

 さらにどんな改善ができるのかなども案を出し、グループ発表なども行われ、参加者は活発に意見交換をしていた。参加者には新病院建設室の主事を務める男性も参加しており「DXの知識を取り入れ、少ない人数でも業務に埋もれない仕組みを整えたい」と意欲を見せた。

 NTT東日本は「伴走型で市と連携し、市全体のDX促進と市民サービスの向上に貢献していく」と述べた。今後は、NTT東日本と市職員へのオンラインコミュニティによる継続的な支援、デジタル行政推進課による情報発信を通じ、各所属のDX推進リーダーと連携。組織全体でのDXを加速させていくという。

  • 色分けした付箋で「BPR」のプロセスを体験する

  • 業務を改善することで本来提供したい市民へのサービス向上につながる

  • グループごとに発表も行われた

  • NTTのスタッフがファシリテーターを務める

MyFunaねっと
MyFunaねっと
千葉県船橋市に特化した情報を発信するタウン誌「ふなばし再発見!!マガジンMyFuna」編集部が運営するローカルニュース「MyFunaねっと」の情報を掲...
プロフィールや他の投稿を見る

シェア ポスト 送る