銚子の大漁旗を未来へ 若手農家・山嵜遥加さんがクラウドファンディングに挑戦

  2026/2/27
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 銚子の伝統文化「大漁旗」を未来へつなごうと、地元の若手農家・山嵜遥加さんがクラウドファンディング「銚子の大漁旗を未来へつなぐ挑戦〜何者でもないわたしだからこそ、挑む意味がある〜」と題して果敢に挑戦している。
 
 舞台はJR銚子駅。色鮮やかな大漁旗を駅構内に掲げ、港町銚子の象徴的な風景をつくり出すことを目指す。今回のプロジェクトは、組織ではなく一人で立ち上げた挑戦だ。

農業を仕事にするとは思っていなかった頃

 山嵜さんはもともと農業を継ぐつもりはなかったという。「子どもの頃から、休みは雨の日くらいしかない。朝から晩まで働いても裕福とは言えない姿を見てきたので、仕事にしようとは思っていませんでした」

 大学は国際ボランティアの学科に進学。しかし在学中、父が「もう見合わないから畑をやめる」と口にしたことが転機となった。

 「こうやって農業はなくなっていくんだなと思った。強い使命感ではないけれど、私がやった方がいいのかなと感じ始めました」
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地元の染屋さんに訪れる山崎さん

コロナ禍と学び直し

 卒業後は和歌山県の農業関連企業で勤務。その後、JICAで海外ボランティアに参加する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で断念。地元に戻ることになった。

 「農業をやるなら経営を学ばなければ」と決意し、東京で2年間、農業経営を学んだ。現在は地元に戻り、就農して3年目を迎える。

しかし、現実は厳しかった。

「日々の生産で精一杯。地域に何も貢献できていない自分に焦りを感じて、2年ほど悩みました」

出会った「大漁旗」という文化

 転機は、地元の仲間からの助言だった。
「農業じゃなくても、やりたいことで貢献すればいい」模索する中で出会ったのが「大漁旗」だった。

 銚子は農業と水産業という二大産業を持つまち。それぞれが長い歴史の中で独自の文化を育んできた一方で、両者が交わる機会は決して多くはないという。

「私は、そのつなぎ役になれたらと思っています」

 現在の主流は機械プリントだが、職人の手作業で染められる伝統的な大漁旗には、理屈を超えた力強さがあるという。
「駅に大漁旗がバッと並んでいる光景を想像すると、ワクワクしますよね」
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船上でなびく大漁旗

不安9割、それでも挑む理由

 クラウドファンディングの道のりは平坦ではない。
 山嵜さんは「正直、不安が9割です」と笑う。個人や店舗からの支援はあるが、企業や市民団体などとの連携はこれからだという。

それでも挑戦を続ける理由は明確だ。

「職人さんの“守る”という強い想いや技術に光が当たってほしい。大漁旗は銚子だけでなく、日本全国の港町を支えてきた文化です。この取り組みが、頑張っている職人さんたちにフォーカスが当たるきっかけになれば、それが一番うれしいですね」

 農家としての歩みの中で生まれた、新たな一人の挑戦。

 その一歩が、銚子の風景にどのような彩りをもたらすのか、今後の展開が注目される。(飯田)


クラウドファンディングご支援はこちらから。締め切りは3月31日まで。
https://camp-fire.jp/projects/921185/view
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