吉祥寺の「吉祥寺ZINEフェスティバル」というイベントに行ってきた。

  2022/3/30
シェア ポスト 送る

吉祥寺PARCOで3月19日に開催された「吉祥寺ZINEフェスティバル」なるイベントに参加してきた。「ZINE」とは、「個人で自由に制作した冊子」のことを指すらしく、仕掛け人は吉祥寺で「ブックマンション」というシェア型書店を展開する中西功さん。

今回の「吉祥寺ZINEフェスティバル」はフライヤーを見ると第3回とある。ZINEでは、フリーマーケット形式で2メートル四方程度のブースにそれぞれの出店者が自分たちの本を展示している。いずれもブックマンション絡みの出店者だという。

ZINEは必ずしも「本」だけではなく、写真集や詩集などのもの、本と共にグッズの販売をしている人もいる。中には、「奈良都民」というコンセプトを掲げてオリジナルグッズの販売などをしている人も…出店している。

出店者一人ひとりに話を聞き、作っている冊子にかける思いを聞いていると時間を忘れるほど楽しい。百貨店などの屋上遊園地を記録し続けて写真集にしている男性や、コロナ禍に消毒する機会が多ことからその記録を日記風に綴っている男性…どの冊子をみても個性が際立って面白い。よくぞ、これだけ個性的な人たちをあつめたものだと感心させられる。

その中一番興味をそそられたのは「吉祥寺かるた」を店頭に並べている男性。

メディアなどでも何度か目にした「吉祥寺かるた」を作っている株式会社クラウドボックス代表取締役で「ご当地かるたプロデューサー」の肩書を持つ徳永健さん。

「吉祥寺かるた」は、街の住民皆が知っている「あるあるネタ」をかるたにしているもの。吉祥寺特有のネタは、地域の人なら誰でも「あぁ…いるねこの人」「あぁ、あの店だよね」とかるたを通じてコミュニケーションをはかれるのだ。ツイッターなどで情報を公募して作成、初版の1000部はすぐに完売したという話題の商品なのだ。

作りがシンプルなので、自分たちの町でもかるたを作る工程で小学生や中学生、高校生から主婦、会社員、自営業者、商店街の店主、街のおじいちゃんおばあちゃんまでみんなでネタを出し合ってワイワイワークショップ形式で楽しめそうなニュアンスが伝わってくる。

「ワークショップ形式にしてネタ出ししたら楽しそうですね」と尋ねると、各地でそうした導入支援なども行っているそうだ。なるほど、「ご当地かるたプロデューサー」という肩書は伊達じゃない。

街のあるあるネタをかるたにする発想って面白い

ZINEの出店者たちは「ブックマンション」のコミュニティで関わり合った人たちばかりだという。仲西さんの運営する「ブックマンション」というお店が近くにあるという事なので訪問させて頂いた。

ZINEフェスティバルを紹介してくれた鍋島さん(中)、仕掛け人の中西さん(右)

ブックマンションというシェア型書店

中西さんの「ブックマンション」は雑誌などでも取り扱われ話題のモデル。店舗は、吉祥寺駅からほど近い場所にある「X4ビル(バツヨンビル)」の地下にあります。レンタルボックス形式のブースが約70区画設けられ、みんなが自分の本を持ち寄って成り立っている書店なのです。

ブックマンションはこの「X4(バツヨン)」ビルの地下にある

もともと、武蔵野市で無人の古本屋「BOOK ROAD」を開設してきたという中西さん。開業した2坪ほどのお店は完全無人。決済は店に設置されたガチャガチャで行うというスタイル。この形式だと、家賃だけペイする事ができればどんどん書店を増やすことができます。

https://www.mitsubishielectric.co.jp/business/biz-t/contents/newswitch-column/column001.html

その発展型というか、コミュニティを生み出せるスタイルのものが今回訪ねた「ブックマンション」。小さなレンタルボックス(レンタル棚というのがいいのか)形式の書店はそれぞれに屋号があり、個性が光る本が並んでいる。

ある書店には、これでもかというくらいに広島に関する書籍が並ぶ。また別の書店には、子ぶたさん関連のかわいらい本が並んでいる。政治的な考え方や哲学、経営や自己啓発などそれぞれに店主が自分の推している本を並べているので棚を眺めているだけでも楽しめる。

棚を借りている店主たちが店番をするスタイルだ

店主たちはいずれも本好きで自分の主義・主張をしっかり持っている人たち。趣味についてぴったりはまると何時間でも話がつくなくなる事は想像に難しくない。今回店主をされていた「子ぶたの棚の男性」に話を伺うと…

「なんでぶたなんですか?」

「ぶたは、自分の中の一部なんです。私の中にある癒しの部分がぶたをあらわしているんです」

(むむ…難しい…)

どうやら、何かしら難しい仕事に就いていて、心の中の余暇の部分をつかってぶたで遊んでいる感覚なのか。店内中央の会議用テーブルに子ぶたのぬりえのような絵本がったので

中央の会議テーブルは、店番の人が自分の商品を紹介するのに使るようだ

「こちらは、あなたの作品ですか?」と尋ねると、

「そうなんです、以外に人気でそこにあるだけで終わりなんです」

なるほど、店主を務めていると真ん中のテーブルで物販もできる仕組みになっているのか。と納得。さっそくコミュニケーションに応じてくれたお礼に一冊「子ぶたのぬりえ本」を購入させてもらった。

シェア型書店の良さは、こうしたコミュニケーションが生まれる事だろう。聞くと、棚ショップのオーナーたちは開いている時間で店番をして、だれも店番する人がいない場合は「お休みでいいんじゃない」というスタイルだという。

「中西さんは、決して無理させない。みんなで決めてくれたら良いというスタイルなんです」と、店番の男性。良い感じに肩の力が抜けているところが皆が場に参加しやすくなる理由なのかも知れない。

帰りに駅前のハモニカ横丁を通って駅に向かったのですが、なんとなくレトロで心惹かれるお店が所狭しと並んでいたので楽しくなってしまいました。

「今度は、ここをメインに吉祥寺にやってこよう」と強く心に誓いました

店名:ブックマンション
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-13-1バツヨンビルB1F
TEL:不明
営業時間:公式Facebookページで公開
定休日:店番のスタッフが都合付かない日
駐車場:たぶん、近隣の駐車スペースを利用
公式HP: https://www.facebook.com/profile.php?id=100057028346964

主婦と高齢者で千葉を編集する
主婦と高齢者で千葉を編集する
2009年、千葉県船橋市でタウン誌「ふなばし再発見!!マガジンMyFuna」創刊、同時にローカルニュース「MyFunaねっと」配信開始。その後、2011年にみ...
プロフィールや他の投稿を見る

シェア ポスト 送る