市船吹奏楽部の絆を描いた映画「20歳のソウル」が5月27日から全国ロードショー、吹奏楽部が試写会で生演奏を披露
4/30(土)市船吹奏楽部の絆を描いた映画「20歳のソウル」が5月27日全国ロードショー
完成披露試写会で吹奏楽部が生演奏を披露
船橋市立市立船橋高校吹奏楽部卒業生の浅野大義さんが音楽に捧げた人生を描いた小説「20歳のソウル」が映画化、5月27日からの全国ロードショーに先駆け4月28日、「イイノホール」(千代田区内幸町2-1-1)で行われた完成披露試写会で市船吹奏楽部が同時中継で生演奏を披露した。
「20歳のソウル」は、2018年8月に発行されたノンフィクション小説。「がんに侵され20歳で逝去した浅野大義さんの告別式に市船吹奏楽部時代の同期に加え先輩・後輩など164人が集まり演奏で大義さんを送り出した」という朝日新聞の記事を見た中井由梨子さんが「こんなに大勢の仲間に演奏で送られる青年とはどんな人生を送ったのか」と、興味を持ち顧問の髙橋健一さんら関係者を訪ねる中で「大義くんに近づきたい」という思いが募り執筆に至ったという。
作中では、音楽をはじめたきっかけや市立船橋高校吹奏楽部に入部した経緯、吹奏楽部で仲間と過ごした時間、音楽漬けの日々から「作曲家」という夢を見つけ全力で生きる青春の日々、病気が発覚してからも周囲を心配させまいと気丈にふるまう姿…そうした中での吹奏楽部メンバーとの強い絆などが描かれている。
大義さんが在学中、野球部応援のために作曲した「市船soul」は代々受け継がれ、現在でも市船を勝利に導く「神応援曲」としてSNSなどで話題に上がっている。実際の試合でも幾度となくチャンスの演出に寄与しているという。
今回の試写会は、約8万通の応募者の中から100組ほどが当選。18時半から予定されていた試写会は市船吹奏楽部生演奏による「市船soul」で幕を上げ、次いで吹奏楽と演劇を組み合わせた同部の名物「吹劇」による「桃太郎特別編」が披露された。
映画では、大義さんと恩師・高橋先生や市船吹奏楽部仲間たちとの絆、「市船soul」が生まれた経緯なども映像化。メガホンをとった秋山監督は「この映画は、決して悲しい映画じゃないです。浅野大義くんという一人の人間が20年という短い時間でしたが、力の限り生き切った希望の物語です」と紹介。
また、主演の神尾楓珠さんは、「役者という仕事は、一人の人間の人生を生きることですが、そこへの向き合い方が、この映画で浅野大義くんを演じて変わったなと感じています」と、撮影を振り返った。
高橋先生を演じた佐藤浩市さんは、「ご覧になればわかりますが、どこまでが出役(ほんものの俳優)で、どこからが普通の高校生か、線引きできない、それくらいのエモーションを持ってみなさん、参加してくれました。2年前の撮影ですが、定期演奏会などがなくなってしまったコロナ禍に参加してくれた彼らの思いが映画に映っていると思います」と、撮影に参加した生徒たちについても語った。
舞台挨拶を終え高橋先生は、「撮影期間を通じて、若い役者さんたちの表情がみるみる変わっていったのを感じた。また、私を演じてくれた佐藤浩市さんの演技が特に圧巻でした。生徒たちから『最後の方には、佐藤さんが高橋先生にしか見えなくなった』と…自分を見ているようで私自身が恥ずかしくなる程でした」と振り返る。
実在の青年が全力で生ききった20年間を描いた「20歳のソウル」。市立船橋高校はもとより船橋大神宮や高瀬下水処理場、船橋市民球場、海老川の桜並木、船橋市民文化ホールなど市内各所でロケを行った映画とあってか、船橋駅には映画のPRポスター、東武百貨店には映画の垂れ幕が掲示されるなど船橋市や地元企業も積極的にPRに関わっている。
公開は、全国一斉に5月27日から。