松戸徹船橋市長が勉強会で講演「今の取組が未来を変える」、船橋中心に近隣市からも経営者100人が参加
8/24(水)松戸徹船橋市長が勉強会で講演「今の取組が未来を変える」
船橋中心に近隣市からも経営者100人が参加
「船橋市倫理法人会」で毎週水曜日に行われている朝の勉強会「モーニングセミナー」に8月24日松戸徹船橋市長が登壇、船橋市が誕生してからこれまでの市政の流れと、今後船橋市が目指していく方向性について「今の取組が未来を変える」というテーマでの講演を行った。
会場となったのは、老舗の中華料理専門店「東魁桜」(船橋市本町4-36-17)4階の宴会場。空調や消毒などの感染症対策を施した会場に、事前予約のあった約100人の経営者らが集まった。
主催の同会は、経営者を中心に組織される朝の定例勉強会や朝礼の実践などを開催する団体。主婦らが神社や寺などで行っていた朝の勉強会に参加し「経営者にこそ、人の道を説く『倫理』が必要」と、市内経営者の滝口長太郎さんが法人組織を立ち上げ全国に普及させていった。現在は、全国に約500支部が立ち上がり、5万社(人)が加盟しているという。
松戸市長は冒頭に、「海外の方と話をしていると我が街のポジショニングについて質問されることが多い。皆さまに、今までの経過と今後どこに向かっていこうとしているのかを知っておいていただきたい」と、切り出し講演を始めた。
船橋市は、1937(昭和12)年4月に人口4万2981人で市政を開始、その後、1953年に旧二宮村と合併、翌1954年には旧豊富村とも合流。湾岸エリア50万坪の埋め立てを経て現在の市域に至った。
人口は、令和4年8月時点で64万7366人、31万5488世帯。人口規模では、人口55万人(令和3年4月)を抱える鳥取県と、同65万9000人(令和4年5月)の島根県との間あたりに位置する日本でも有数の都市。今後10年位は人口増加するものとして市政を行っているという。
「船橋市が、急成長した背景には3つのターニングポイントがあった」と松戸市長。1960年にできた前原団地を皮切りに高根台団地などの大規模な団地開発が行われ毎年2万人ずつの人口増加が20年に渡って続いた。
さらに、1983(昭和58)年・当時の大橋和夫市長が旗振り役で「スポーツ健康都市宣言」を掲げた。市民が一体感を持つため「ともにスポーツで汗を流すことで昔からの市民と新しく引っ越してきた新しい住民が仲良くなれる」と考えた。象徴的な目標に「市船野球部を甲子園に」を掲げ、スポーツ健康大学を創設、市民活動のリーダー育成に力を注いだ。
そして2003(平成15)年には、藤代幸七・前市長が船橋市を中核市へと移行させた。「これによって一番大きく効果があったのはコロナ対策」と松戸市長。医療や福祉、教育などの行政は中核市になると自前で運営する。「今回のコロナ禍では、保健所を持っていることが大きなアドバンテージであった」と振り返る。
そのほか、9路線35駅は全国でもトップクラスの交通網である事、「北千葉道路」のインターが小室駅付近に設置予定である旨を含めた高速道路網へのアクセス、農業や漁業事業者の担い手が豊富である事、Jリーガーの出身校は市船がトップクラスである事、文化面でも各小中学校が全国コンクールで金賞を受賞する事、船橋出身のプロ指揮者が5人いること…船橋に関する豊富な人材について矢継ぎ早に紹介していった。
また、現在の船橋市における取組みとして文化普及に向け「まちかど音楽ステージ」「千人の音楽祭」「ふなばしミュージックストリート」などを挙げたほか、若手のアーティストを講師にした中学校の空き教室でのアート教室、独自のコロナ対策により蔓延を未然に防止した事などを挙げていった。
今後の船橋市に関する青写真
さらに、今後の船橋については、「海老川上流域にメディカルタウンを作り、医療センターを移転して高度医療とそれに対応するオペ室の充実した病院にする。現状でも大学病院に匹敵する高度な医療施設になっているが施設が老朽化しつつある」として、「東葉高速鉄道の東海神駅と飯山満駅間に新駅をつくり医療センターを中心とした街づくりを進めていく。住宅や商業施設では年月が経つうちに衰退もあるが医療は日々進化し続ける」と新駅の構想を語った。
南船橋駅周辺の街づくりについても「一昨年、国際基準を満たしたアイスアリーナが完成、全国でもトップクラスのアスリートが練習に来ている。三井が開設した最先端の物流施設もある。令和6年には1万人規模の収容人数をほこる千葉ジェッツふなばしのアリーナが完成する。駅前の4.5ヘクタールの市有地に広大な公園を作り、児童相談所や福祉施設を併設する。船橋競馬場は現在の正門を改装、公園のように解放的な施設になる予定」と将来の船橋の姿を語った。
最後に、数年前から準備を進めてきたという「ゼロカーボンシティ」実現に向けての取組みとして、日本大学と海洋プラスチックの調査を行っている事なども紹介。この日、会場に駆けつけていた市原市の佐久間隆義元市長や市川市の田中甲市長、参加した経営者らに向けて「一市で面白い取り組みをしたならそのノウハウを共有し合う事が大切。それぞれに良い取り組みがあるので、良いものを広域で共有していく時代になってきた。経営者だけでなく、ぜひ社員さんにも地域に参加して頂きたい」と呼びかけた。