市内の医師による自作短編動画で伝える「在宅医療」、4年ぶり「船橋市在宅医療支援拠点ふなぽーと」市民公開講座
3/8(水)市内の医師による自作短編動画で伝える「在宅医療」
4年ぶり「船橋市在宅医療支援拠点ふなぽーと」市民公開講座
「船橋市在宅医療支援拠点ふなぽーと」が3月4日、第4回市民公開講座「地域のみんなで考える在宅医療」を宮本公民館(船橋市宮本6-18-1)で開催し、約130人の参加者が集まった。
「ふなぽーと」は保健センター(船橋市北本町1-16)の1階に事業所があり、「通院が難しい」「自宅で治療を受けたい」といった場合、在宅療養を希望する人に向け、在宅医療や介護に関する相談、それに伴って必要となる医療機関や介護サービス事業所などの紹介などを行うほか、「在宅療養」について地域の人に知ってもらうための講話などを医療や介護の専門職スタッフとともに広める活動も行っている。
「ふなぽーと」主催の市民公開講座は2017年から毎年開催してきた。2019年には翌年開催の同講座に向け、ふなぽーとの職員がシナリオを書き、医師や介護支援専門員らが演じた自作の短編動画を撮影した。医師であり「ふなぽーと」副担当理事の宮川一郎さんが動画編集し、2020年2月開催の公開講座でお披露目予定だった。しかし新型コロナウイルスが流行し出したことから公開講座を開催中止に。3年経った今年、その動画がようやく日の目を浴びることとなった。
動画には、病気を患う本人の意思があいまいななか、家族が担当医師から胃に穴を開けて栄養を補う「胃ろう」を選ぶことも選択のひとつであることを告げられ、どうするのが一番いいのか、家族が悩む様子が映し出された。
10分ほどの動画を視聴したあとは、シンポジウムとして介護支援専門員、訪問診療医、訪問看護師、理学療法士といった4人を迎え、意見交換が行われた。シンポジストは介護支援専門員協議会理事の吉田友則さん、船橋在宅医療ひまわりネットワーク代表・玉元弘次さん、ふなばし市訪問看護連絡協議会会長・横山恭子さん、千葉県理学療法士会理事・松川基宏さんが登壇。座長は船橋市医師会副会長・土居良康さん。
「認知症の進行なのか、食事がちゃんと取れていないために栄養不足などの原因で本人の意思があいまいになってしまっている中、家族の決断について正解はない」「こうした状況で家族が悩み抜いて、みんなで話し合えることがとても大切」と登壇者たちは話した。
「医師や訪問看護師の意見を聞き、ケアマネジャーが家族全員の意見を同じ方向に向けて療養を進めていくのが、在宅医療でのチームのあり方」と介護支援専門員の吉田友則さん。
「今回はよくある例を見てもらったが、在宅医療について迷ったり困ったことがあれば、いつでもふなぽーとに相談してほしい」とふなぽーと統括者の佐々木さんは呼びかけた。