市内の梨農園が救急隊員へ梨を寄贈、 医療ひっ迫で激務が続く隊員らに梨でエールを

  2022/8/26
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 8/26(金)市内の梨農園が救急隊員へ梨を寄贈

医療ひっ迫で激務が続く隊員らに梨でエールを

 船橋市内の梨農園「石井梨園」(船橋市神保町)の石井洋明さんが8月24日、コロナ第7波で激務の続く船橋市の救急隊員に梨100㎏寄贈した。

 寄贈式は東消防署古和釜分署(船橋市古和釜502-1)で行われ、消防局長の澤本保敏さんは「市民からあたたかい気持ちをいただきありがたい気持ちでいっぱいで士気があがる。今後の糧としてなおいっそう船橋市民のために頑張っていきたい」と感謝の気持ち伝えた。

 石井さんは「直売所で梨を販売している時に救急車が頻繁に通るのを見ていた。救急隊員が梨を買いにきてくれた時に『朝9時に救急車で出動すると戻ってくるのが夜の11時になることもある』と話したのを聞き『皆さんに梨を食べてもらいたい』と思っていた」と寄贈のきっかけを話した。

 船橋市消防局によると市内14カ所の消防署全体で救急車は16台あるが、今年に入り8月22日までの救急出動件数は25,461件、昨年よりも4,000件以上増えている。コロナ前の出動数は1日90件位だったが8月始めには最高175件という日もあった。平均するとコロナ前の約1.7倍の救急件数だと言う。

 澤本さんは「コロナ第7波により、それ以前よりもさらに病院がひっ迫し受け入れ先を確保するのに非常に時間がかかる。救急車はほとんど消防署にいない状態が続いており、救急搬送困難事案が毎日発生して救急隊員は食事をとるのもままならず、休憩や休みも取れず疲労困憊の状態が続いている」と話した。

 「救急搬送困難事案」とは救急隊による「医療機関への受入れ照会回数4 回以上」かつ「現場滞在時間30分以上」の事案を意味する。

 「このような状態が続くと特に重症な方の搬送が危惧される。場合にもよるが、自分で病院に行く手段のある方は救急車の利用を控えていただきたい。重症で1分1秒を争う患者の『本来なら救える命』が助からないことを非常に心配している。市民のみなさんに適正な救急車の利用へのご理解とご協力をお願いしたい」と澤本さんは危機的状態を訴えた。

 船橋市では8月に入ってから事務職で救急隊員の資格を持つ職員が臨時救急隊を編成し17台目の救急車を運用しているが救急搬送困難事案は続いている。澤本さんは「救急隊員の交代は本来消防署で行われるが、搬送先で行うこともある。搬送先が見つからず遠く鴨川市や銚子、都内、茨城県などまで搬送した事例もある」と話した。

  • 東消防署古和釜分署で行われた梨の寄贈式

  • 救急車は出動したまま署に戻れない日々が続いている

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