船橋市内の音楽系部活動出身者が集うオーケストラが新規設立、10~30代が集う「ポート ソレイユ オーケストラ」
9/29(木)船橋市内の音楽系部活動出身者が集うオーケストラ楽団が新規設立
10~30代が集う「ポート ソレイユ オーケストラ」
船橋を拠点に活動する新しいオーケストラ楽団「ポート ソレイユ オーケストラ」の結団式が9月25日、三咲公民館(船橋市三咲3-5-10)で開催され、約60人の楽団員が来賓に向けて演奏を届けた。
同楽団は、船橋市を中心とした音楽系部活動出身者で構成されるオーケストラ。呼びかけに対して集まった団員は約100人にのぼる。参加者は10代~30代で、その多くは20代。参加者はかつての部活仲間に口コミでどんどん広まっていったという。
同楽団の立ち上げに際し、その中心となったのは船橋出身のヴィオラ奏者・照沼響(てるぬまひびき)さん。照沼さんは御滝中学校管弦楽部でヴィオラに出会い、千葉県立千葉女子高校ではオーケストラ部に所属。卒業後は武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科へ。武蔵野音楽大学管弦楽団のヴィオラ主席を務めた。現在は多数のオーケストラでの演奏活動の傍ら、小中学校、高等学校の管弦楽部指導や音楽教室の講師などをしている。
現在の活動の中で、照沼さんが感じていたのは「船橋市内の音楽系部活動は全国大会出場校など、全国レベルで活躍する部活動も多数存在する。そのような部活でレベルの高い演奏をしていても、大人になっても楽器や音楽を続けられる環境はほとんどない」ということ。「なので、みんなが演奏したいと思ったときに、帰って来て演奏できる場所を作りたい、老若男女関係なく音楽ができる場所を作りたいと思った」と続けた。
しかし一人で楽団を作ることは難しく、照沼さんが相談したのが、同じく船橋出身で千葉女子高校オーケストラ部から武蔵野音楽大学音楽学部に通っていたホルン奏者・筧沙弥香(かけいさやか)さん。武蔵野音大時代に多くの時間を共に過ごし、仲良くなった2人はその後も交流が続き、現在に至っている。
照沼さんが「オーケストラを作るのはどうか」という話しをすれば、筧さんは「まさにそういう場所が欲しいと思っていた」と意気投合。しかし照沼さんは「私ありきのオケを作りたいわけではない」という思いがあり、仕切ってくれる人を探した。
結果、オーケストラを引っ張る楽団長として、コントラバス奏者・本田直也さんが就任。本田さんは七林中出身、七林中の部活動でコントラバスを始めた。武蔵野音大時代は照沼さんにとって「憧れの先輩」であった本田さん。演奏家として活躍中の本田さんは現在も船橋近郊に住んでいることもあり、本田さんと照沼さんは度々会う機会もあったという。そして、照沼さんと筧さん、2人の後輩からの熱い思いを受け止める形で、団長に就任した。
結団式で本田さんは「何十年プロでやっていても、全く同じ演奏をするというのは難しい。不測の事態はたくさん起こる。オーケストラというのは、その中でお互いを感じ取り、思いやりがいかに働くかで、いい音を作る。元気のある団体にしていき、音楽のまち・船橋の文化の発展に寄与したい。音楽活動を通し、船橋を盛り上げたい」とあいさつした。
照沼さんは体調不良から結団式に参加できなかったものの、オンラインで自宅から参加。楽団は、名誉楽団長であり津田沼高校オーケストラ部顧問の山岡建さんを指揮者に迎え、「ラデッキー行進曲」を演奏した。
「船橋の外に出て気づきましたが、船橋の音楽系部活動のレベルは本当に高い。そのスキルを持った人たちが、演奏する機会がないままになっているのはもったいない。気軽に演奏できる場所として開いていくので、楽器から一度は離れてしまっているけど、オーケストラで演奏したいという人はぜひ参加してもらいたい」と照沼さんは話す。
「実は私たちの活動スタイル自体もとても変わっていると思います」と照沼さん。通常、アマチュアオーケストラでの演奏者はパートごとに定員が定められ、演奏会にも全員参加というのが一般的である。しかし同楽団では演奏会ごとに参加者を募るスタイルを採択。そのため、演奏会ごとに参加者メンバーにも変動があるため、より多くの団員が在籍できる楽団となる。参加者は登録料1000円、活動費として年3000円を支払って参加する。
使用する楽器に関しては、自分の楽器またはレンタルで対応する。船橋に本社がある「伊藤楽器」からも協力を得ているほか、一般・企業から協賛金を広く募り、現在も協賛金を募っている。
練習は市内公民館などを予定。演奏会前は主に2週間に1度、土・日曜18時〜21時で練習予定。本番直前には練習が増える。第1回定期演奏会は2023年2月11日。